iOS 8ではVoLTEをサポートする?

原稿執筆時点で最も最新の噂がこれだ。VoLTE (Voice over LTE)とは、LTEのIPネットワーク網を使って音声交換機を通さずに、いわゆるVoIP (Voice over IP)を実現する機能だ。回線の利用効率が大幅に向上する反面、QoS (Quality of Service)という品質制御機構や、LTEのカバーエリアを外れて3Gにネットワークが落ちた場合でもスムーズに音声通話をハンドオーバーするSRVCC (Single Radio Voice Call Continuity)の導入などのハードルがある。ソフトウェアとハードウェア両面での対応が必要なため、iOS 8+iPhone 6の組み合わせが必須となる機能だ。

国内ではドコモがVoLTEで先陣を切った

米国ではVerizon Wireless、AT&T、T-Mobileと次々と主要携帯キャリアがVoLTE対応を正式表明しており、今年後半から来年2015年にかけて米国主要都市で次々とサービスインすることになるとみられる。それを考えると、製品の更新サイクルが1年1回のiPhoneは今年9月以降のタイミングで発表される次期製品で対応が望ましい。米国でのiPhoneシェアは高いため、ネットワーク利用効率化の観点からも携帯キャリアがiPhoneの早期でのVoLTE対応を望んでいる可能性が高い。ゆえにiOS 8+iPhone 6でVoLTE対応の話が出てくるのは自然な流れだといえる。

以上がiOS 8に関する噂の現状でのまとめだが、AppleがOS X 10.10の開発にリソースを割いているという事情もあり、機能の一部は後にリリースされるiOS 8.1での導入に持ち越されるという話も出ている。新iPhoneとの連携を前提にした機能もあるため、すべての機能がWWDCのタイミングで一般公開されるとは限らない可能性は高いだろう。