ここまでのまとめ

ということで、取りあえず定格動作に関して一通り確認してみた結果をまずまとめてみると

  • Steamrollerコアによる性能改善は、それが明確に示されるシーンはあまり多くない。もちろんメモリコントローラの大幅な性能改善などの要素は確認できるが、コアそのものはDecoderの分割にも関わらず、それほどIPCの改善には繋がっていない。つまりKaveriでCPUの演算性能そのものの改善を期待してはいけない。
  • アプリケーション性能に関しても、Richland→Kaveriで大幅に性能が改善したというケースは、今回まれだった。
  • GPU性能は文句無く大幅に改善しており、Haswellを軽くぶっちぎれるレベルとして差し支えない。なるほどIntelがBroadwellをDesktopにあわてて投入してくる訳である。
  • 消費電力もかなり改善されており、アプリケーション要件にもよるだろうが、Core i5-4670Kと同等以下に収まっている。これは特にSmall Formfactorでの利用時にはうれしい話である。
  • その一方で、Discrete GPUを複数枚挿す様な使い方をする場合には、絶対的な性能にやや不安が残る

といったあたりだろうか。正直、もう少しCPUコアの性能が上がることを期待していただけにちょっと残念ではある。ただ、本来このコアの構成(というか、コアに搭載された実行ユニットの数)を考えると、AMDの言うところの2core(=1Module)が、Intelの言うところの1coerと同レベルという考え方もある。

なので、実はCore i5と比較するよりはCore i3と比較した方が正確なのかもしれない。にも関わらず、GPU性能の高さからトータルとしてはCore i5と比肩しうる性能が出せる、というのがAMDのメッセージである。これをどう判断するか、というのはCPU性能がどの位必要かで決まってくるだろう。