SMB市場向けスイッチ、Wi-Fi製品、NASで世界トップシェアを持つネットギア。昨年までに製品ブランドを一新し、2014年を新たな成長の年に位置づけている。

本誌は、来日した法人向け事業部門のトップ、Commercial Business Unit GM & SVPのジョン・マクヒュー(John McHugh)氏に、国内のニーズ、ブランド一新の狙い、今後の製品展開などを聞いた。

10G対応スイッチ新製品が3-4倍に拡大

米ネットギア Commercial Business Unit GM & SVPのジョン・マクヒュー氏

ネットギアの国内法人向け製品が好調だ。マクヒュー氏によると、2013年における同社のワールドワイドの売上は、前年比7.7%増の13億7000万ドル。十分に高い業績と言えるが、日本法人はさらにそれを上回る2ケタの伸びを記録している。同社の地域別成長率でトップ5に入る結果である。

成長を支えているのは、10ギガビット対応のスイッチやPoE(Power over Ethernet)対応のスイッチ、そしてストレージだ。特に10ギガビット対応製品は、市場の立ち上がり時期であることもあいまって、前年から3-4倍で拡大したという。

「SMBからの10ギガビット対応製品に対する需要は急速に高まっている。日本の場合はそれが特に顕著で、アーリーアダプター層に非常にウケた。われわれのミッションは、エンタープライズクラスの高い品質を持つ製品をSMB向けに適切な価格でいちはやく提供していくこと。日本市場では、限られた選択肢の中でいちばんいいものが求められる傾向がある。その意味で日本のSMBの顧客ニーズに合っている」(マクヒュー氏)

国内SMB市場でシェアを拡大している同社の10ギガビット対応スイッチだが、実のところ当初は、データセンターやネットワーク企業向けのコアスイッチ/アグリゲーションを意識して開発された。しかし、SMBでも手の届く価格に設定されていることから、大容量のデータを扱う必要があるソフト開発会社やゲーム業界、社内でビデオのマルチキャスト配信を行いたい企業での採用が相次いでいる。データセンター向けに開発した高性能の製品がSMBでも手の届く価格で提供されている、その品質に対するコストパフォーマンスの高さが同社の最大の強みだ。

また、ワールドワイドの市場を見ても、ITトレンドはネットギアのビジネスに追い風になっているという。最近ではSMBでもクラウド、モバイル、BYOD、ビッグデータといったトレンドに取り組みを進めており、ネットギアが投入する新製品が広く受け入れられている。その結果、同社は、昨年の米国市場における10ギガビット出荷ポート数シェアで1位を獲得している。

マクヒュー氏は、今後3-4年で10ギガビットがSMB市場でもメインストリームになると見る。立ち上がりつつある市場でシェア拡大を狙っていく構えだ。