カメラとしての基本的な撮影設定も従来と変わらない。プレミアムおまかせオートによるシーンに応じた撮影に加え、P/A/S/Mのマニュアル撮影機能もサポート。シャッタースピードは30~1/2,000秒、F値はF1.8~F11。
撮影してみると、おおむねRX100と変わらないが、プレミアムおまかせオート撮影時、撮影シーンによっては開放のF1.8ではなく、少し絞って撮影されるようになった印象で、ソニーによれば開放になりすぎないように設定を変えているそうだ。
追加された機能としては、レンズ周辺のコントロールリングを回して28、35、50、70、100mmと5段階で焦点距離が固定できるステップズーム機能、顔を検出してバランスの取れた構図で自動的に切り出すオートフレーミング機能が搭載されている。この当たりはソフトウェアアップデートでRX100に追加してもよさそうだが、今のところはRX100IIだけの機能だ。
撮影機能よりも大きく変わったのは、背面モニタの変更と「マルチインタフェースシュー」の搭載だ。122.9万ドットの3型エクストラファイン液晶という点は変わらないが、新たに「WhiteMagic」技術を使ったことで、明るさが2.4倍に向上したのだという。実際、屋外での見やすさは格段に向上しており、RX100よりもくっきりと被写体を確認できるようになっている。
それに加え、モニタは可動式になった。上下方向に動く形だが、ハイ/ローポジションでの撮影や三脚を使った場合の撮影が格段に楽になった。WhiteMagicでの見やすさの向上と合わせて、モニタの視認性が向上したのは大きなメリットだ。
マルチインタフェースシューの搭載により、フラッシュやマイクなど、外部アクセサリを接続できるようになった。αやNEXにも採用されており、さまざまなアクセサリが登場しているので、より幅広い撮影ができる。例えば電子ビューファインダー「FDA-EV1MK」を使えば、EVFを覗きながらの撮影もできるし、コンパクトなフラッシュ「HVL-F20M」では、より大光量でのバウンス撮影もできるようになる。RX100IIは強力な手ブレ補正を搭載してフルHD動画撮影もできるので、ステレオマイク「ECM-XYST1M」を装着しても良さそう。
さらにオプションとして、49mm径のフィルターが装着できるアダプター「VFA-49R1」、本体に張り付けるアタッチメントグリップ「AG-R1」も新たに発売。この2つはRX100でも利用でき、サードパーティから同様の製品も発売されているが、純正のオプションとして用意されたことになる。
カメラとしての拡張性が向上したことで、撮影できるシーンが拡大したのは嬉しい。こうした高級コンパクトとしては正しい進化だろう。
RX100IIは、従来モデルのRX100と比べて進化ポイントはそれほど多くはないが、センサーの変更による高感度のノイズ低減、無線LANの搭載による連携機能、シューの搭載による拡張性の向上、モニタの視認性の向上など、完成度が上がっている。撮って出しであればRX100でも十分な画質は得られるが、より高度に撮影を楽しみたいというのであれば、RX100IIを選択するといいだろう。
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