ITベンダ各社も教育分野向けへのPC普及に向けて支援体制を取っている。

インテルでは教育分野向けの専用PCとして、クラスメイトPCを開発。日本でも東京中央区の城東小学校や、和歌山県の4つの町村立小学校にこれを導入している。また先頃、東芝と共同で教育用タブレットPC「CM1」を開発。教育分野への導入などを図る。このほか、インテルではインテルTeachと呼ばれる教員向け研修プログラムを展開し、教育現場における活用促進を支援する。

日本ヒューレット・パッカードでは、中学校、高等学校対象にPCおよびワークステーションの寄贈プログラム「Inovation in Education」を全世界で展開。日本では東京工業大学附属科学技術高等学校など国内4校へ寄贈している。また、デルは、Connected Learning for Schoolsの考え方をベースに教育分野全体を視野に入れた取り組みを開始しており、教育分野向けのPCとしてLatitude 2110を市場投入するといた動きもみせている。

外資系ベンダも教育用PC市場に積極的に進出を始めた

一方、アップルでも1986年から「Apple Classrooms of Tommorow」をキーワードに、教育分野向けの活用提案を行い、欧米を中心に教育市場での活用が進んでおり、これを日本にも展開しているところだ。

さらに、マイクロソフトでは、初等中等教育分野の教育機関におけるPC利活用促進策であるイノベーティブ エデュケーション プログラムを、また教師を対象にしたICT活用を支援するイノベーティブ・ティーチャーズ・プログラムをそれぞれ日本で展開。新たに21世紀型先進教育環境づくりに取り組むためのイノベーティブ・スクールズ・プログラムを国内で初めて導入し、第1号として、横浜市立横浜サイエンスフロンティア高校での展開を開始している。

加えて、マイクロソフトは国内17社のPCメーカーなどとのパートナーシップにより、「キッズモデル」とするPCの開発に取り組む姿勢を明らかにしており、今後、教育を意識した子供向けPCが各社から登場することになりそうだ。

実は、マイクロソフトの樋口泰行社長は、同社が考える教育環境におけるICTの整備/強化方針を、「樋口ビジョン」として先頃発表したばかりだ。ここでは、「PCおよびネットワークによるICTインフラ整備」「教材コンテンツのデジタル化」「教育/子どものITリテラシーの向上」の3点が掲げられ、それぞれに施策が展開されることになる。

"樋口ビジョン"では「インフラ」「コンテンツ」「リテラシー」の3つがキーワードになる

一方で、マイクロソフトは、ソフトバンクなどともに「デジタル教科書教材協議会」を設立し、7月27日には設立記念のシンポジウムが、原口一博総務大臣、マイクロソフト・樋口泰行社長、ソフトバンク・孫正義社長などが参加して行われる。デジタル教科書の普及も今後は教育分野のICT利活用に大きな影響を与えることになる。

このように教育分野を取り巻く施策が相次いでおり、今後は、政府、教育関係者、そして、ICT産業を巻き込んだ連携が加速するのは間違いなさそうだ。教育分野におけるICT利活用は、これから本格化のときを迎える。