保守切れミッションクリティカルシステムを救うリユースサーバ

こうした状況の中、最近特に需要が高い製品があるという。それがサン・マイクロシステムズ製のサーバだ。

「日本のUNIX端末としては最も出荷された製品だと思いますが、企業買収などの影響から今後を不安視する声が多いようです。そうした不安を払拭するべく、当社では専門のエンジニアを用意しているほか、意識的に在庫も強化しており、パーツ番号の指定にも対応できる状況を作っています」(山田氏)

サンのサーバでは、ミッションクリティカルなシステムが動いているケースが多い。もしそのサポートが受けられなくなってしまうとなると、社会的インパクトは計り知れない。「そうした事態を防ぐための備えを誰かが買って出ておかなければならない」――そういう思いが山田氏にはあるという。

そうした考えから、データライブでは「システム延命」をテーマにしたソリューションに力を入れている。サン以外にも、HP、F5、Ciscoといったベンダーの製品を対象に、現行機のホットスタンバイ / コールドスタンバイとして動作するリユース機器を提供。製品によってはオンサイト保守サービスも用意しており、故障時の交換作業まで任せることができるという。

質の良いリユース機器を提供できることに加え、確かな技術力があるからこそ提供できるサービスである。

中古・新古サーバを活用して新規ビジネス参入リスクを大きく低減

ここまで、新品市場からは消えてしまった古いモデルばかりに焦点を当ててきたが、メーカー保守期間中の"現役モデル"に対してもリユース需要はあるようだ。特に引き合いが多いのは、システム増強案件である。

成長中の企業では必要なサーバ台数も増えるが、その都度新しいモデルを導入するとなるとコストがかさんでしまう。そこでリユース機器を活用することで、低コストでシステム増強を図ろうというねらいである。特に期限付きのシステム増強案件は、リユース機器との相性が良いという。

「システム全体を5年で刷新する場合、3年目の時点で新品を導入するのはためらわれます。そこで、よそで3年使われた機種を利用するわけです。2年後には一斉にリニューアルされるのですから、中古であることはデメリットになりません」(山田氏)

この施策が成り立つのは、当然ながら、新品に対するリユース機器のコストメリットが大きいためだ。では、どの程度の価格になるのか。武藤氏によると、「発売後5年以内の販売中モデルでも、リユース製品ならば半額~30%程度で購入可能」だという。「この価格に魅力を感じてくださるお客様はたくさんいます」と同氏は続ける。

最近では、このコストメリットを新規事業立ち上げのリスク低減に活用する企業も増えてきているようだ。

「現在、SaaSビジネスやクラウドサービスに取り組みたいという企業からの問い合わせが急増しています。最初は安価なリユースサーバでサービスを立ち上げ、必要ならば手軽に買い増しもできる状況でβ版サービスなどを提供することで、事業リスクを抑えるのです。万が一撤退ということになっても、大きな損失は発生しません。新品で構築するシステムの1/3程度のコストで環境が構築できます」(山田氏)

なお、各ベンダーからは廉価版のサーバ製品も登場している。そちらとリユース機器の比較検討になるケースも多いようだが、通常、リユース機器が劣るケースはまずないという。

「新製品の場合、製品スペックと価格は比例します。したがって、廉価版は非常に限られた性能になってしまうものがほとんど。同じ予算で探した場合、リユース機器のほうが圧倒的にスペックが高いですし、信頼性、耐故障制という点でも大きな差が出てきます。なお、新品にこだわる方には、新古品も提供できます。選択肢は限られてしまいますが、要望に合う機種が存在すれば市価の3割引き程度にはなりますから、お得ですよ」(武藤氏)

このように、データライブでは、企業の幅広い要望に応えられる体制を整えている。サーバ/ネットワーク機器が入用の際には、一度問い合わせてみるとよいだろう。