OS基本性能から仮想化環境まで、多岐にわたり機能改善が行われている「Windows Server 2008 R2」。すでにリリースから4カ月以上経過しており、紹介記事も数多く出回っているが、同サーバが本当に使えるものなのか確信が持てずに周囲の反応を見守っているシステム管理者は多いはずだ。

そこで、小誌はWindows Server 2008 R2の導入を5人のライターに依頼。その模様を体験記というかたちでレポートしてもらうことにした。

今回、中山氏にはサーバのもっとも基本的な機能であるファイルサーバの構築にチャレンジしてもらった。中山氏は、中小企業の社長さんでもある。これからWindowsサーバを導入しようと思っている方には、大いに参考になるだろう。

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実際にパソコンを使った仕事をしていれば、データは大量に作られる。当たり前だが、これが中々やっかいだ。「PowerPointで製品レビューを作ってセールスに役立てる」、今となっては効果的な営業ツールのひとつだが、人目を引くようなビジュアルたっぷりなデータをがんばって作れば、1ファイルあたりの容量も肥大化する。

また、営業日報や経理関連書式のExcelもやっかいなもので、同じようなファイルネームのドキュメントが日々量産されてゆく。

こんな状態になっているのは、何も大企業だけでなく、中小企業にとっても同じことだろう。もちろん、普段は自分のパソコンに保存し、必要になればそれを印刷したり、データをメールで送ったりしなければならない。この一手間がやっかいで、ついついデータをため込んでしまうという話もたくさん聞く。

そこでぜひ欲しいのが「ファイルサーバ」だ。ちょっとしたファイル共有程度なら、ワークグループの中に共有フォルダを作ってシェアしていくことも考えられるが、セキュリティ的にはあまり勧められない。また、責任者不在でいつしかフォルダ内のデータは荒れ放題、などということもありえる話だ。

しかし逆に考えれば、確かなセキュリティと容易な管理性があれば、安心して使えるファイルサーバができあがることになる。ちょっと前までは、機能がきちんと備わったファイルサーバはそれなりに導入金額も必要だったが、時代はどんどん進化して、少しパソコンに詳しいレベルの知識があれば、それなりのサーバが作れる時代だ。

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もちろん、それにはプラットフォームとしてもっとも汎用性の高い「Windows Server」シリーズを使うのが手っ取り早い。クライアントPCの多くにもWindowsが入っているはずで、何よりもユーザービリティの高い管理コンソールは、ちょっとパソコンに詳しいからといって管理者に任命された人にも魅力はたっぷりだ。

少し前置きが長くなったが、今回は「Windows Server 2008 R2」を使ってファイルサーバ構築にチャレンジしてみたいと思う。