みずほフィナンシャルグループは10月5日、自律型AIエージェント基盤「みずほCowork」を開発し、業務適用に向けたPoC(概念実証)を開始すると発表した。Anthropicの「Claude Agent SDK」を活用し、AWS上に社員一人ひとりの専用作業環境を用意。AIエージェントが調査・分析、画面操作、資料作成など複数工程からなる業務を自律的に実行する。
AIとの「対話」から「業務を任せる」へ
「みずほCowork」は、AnthropicのClaude Agent SDKを活用し、AWS上に社員一人ひとりの専用作業環境を割り当てる。
「みずほCowork」に目的と必要な資料を渡すと、AIエージェントが与えられた権限の範囲内で作業手順を組み立て、多数の資料を横断した調査・分析・情報整理や、画面操作、レポート・プレゼンテーション資料等の作成など、複数の工程からなるデスクワークを遂行する。
「Skills」でみずほ独自の業務知識を追加
「みずほCowork」では、AIエージェントの動作を支える共通制御の仕組み「ハーネス」を、Claude Agent SDKを活用する汎用的なエージェントレイヤーと、固有の業務要件を反映する独自レイヤーの二層で構成する。
汎用レイヤーでは、ファイル操作や情報収集、分析、成果物作成など、幅広いデスクワークに共通する動作を制御。一方、独自レイヤーには社内ルールに準拠したガードレールを組み込むほか、各部門の業務手順や判断基準、専門知識を「Skills」として追加できる。
これにより、最新のAIモデルやAIエージェント技術を取り込みながら、みずほ固有の業務ノウハウを基盤技術と切り分けて蓄積・高度化できるという。
AWS上に社員ごとの「AIエージェントの仕事場」
「みずほCowork」では、AIエージェントによる一連の作業をAWS上で完結させることで、利用者の業務端末やローカルデータへの直接アクセスを避けながら、ネットワークやアクセス範囲を同グループの統制下で管理する。
また、AIエージェントの動作が社員の業務端末に依存しないため、長時間を要する処理も、社員が端末を操作していない間に継続して実行可能。
実行環境には「Amazon ECS on AWS Fargate」、作業領域には「Amazon S3 Files」を採用し、利用者ごとに実行環境と作業領域を分離する。また、「Amazon Bedrock Guardrails」による入出力の統制やログ記録、運用監視なども組み込み、AIエージェントを業務で利用するためのセキュリティとガバナンスを確保する。
今回のPoCでは、案件資料の分析・整理や資料作成、調査データの分析、業務監査におけるチェック、専門レポートの海外向け要約・翻訳など、複数の業務で有効性を検証する。
今後は、既存のレガシーシステムをブラウザ経由で操作する機能の実装も検討する。APIを新たに開発することなく、AIエージェントが複数のシステムをまたいで業務を遂行できるようにすることで、適用可能な業務領域の拡大を目指す。
