みずほ証券と日本ヒューレット・パッカード(HPE)は10月6日、みずほ証券が国内の金融業界で初めて直接液冷(DLC)方式を採用したサーバ「HPE Cray XD2000」を導入すると発表した。液冷対応のデータセンターを新たに構築し、高度化する金融シミュレーションへの対応力強化を図る。今秋から設備構築や稼働評価を進め、2027年4月以降の本番稼働を予定している。
国内金融業界初の直接液冷サーバ採用 - 1日3.6億件超の金融シミュレーション
みずほ証券は、グローバルマーケッツ部門における計算基盤強化のため、直接液冷(Direct Liquid Cooling: DLC)方式を採用したHPEの高密度コンピュートシステム「HPE Cray XD2000」を導入する。HPEによると、金融業界における同社製直接液冷サーバの導入は国内初だという。
今回の導入に合わせて液冷対応のデータセンターを新設し、今後のシステム拡張にも対応できる環境を整備する。
みずほ証券では、公社債や株式、デリバティブなど多様な金融商品の提供を支えるため、大規模なシミュレーションを日常的に実施している。デリバティブ評価や市場リスク、信用リスク計測に向けた計算件数は1日あたり3.6億件を超えており、ビジネス拡大とともに計算需要も増加しているという。こうした背景から、計算性能を安定して引き出せる次世代基盤の整備が課題となっていた。
液冷で高密度運用と省電力化 - AI基盤への展開も視野
HPE Cray XD2000は、CPUなど発熱量の大きいコンポーネントから熱を直接除去するDLC方式を採用。空冷方式と比較してキロワット当たり最大20%の性能向上と15%の消費電力削減が期待できるほか、新システムではサーバノード当たり現行比1.6倍の性能を見込むとのこと。
導入後はHPE Servicesが冷却設備や電源設備を監視し、冷却液漏れを自動検知する仕組みを提供することで運用面も支援する。
みずほ証券は第1期として8台のサーバノードを導入し、本番運用で効果を検証しながら段階的な拡張を進める方針だ。さらに、同社は今回の取り組みで直接液冷技術の有効性を検証し、将来的にはプライベートAI基盤向けGPUサーバーへの展開も検討している。金融計算基盤の高度化だけでなく、AI活用を見据えたインフラ整備も進める考えだ。