複数のネットユーザーが猫虐殺公開の容疑者を特定

2006年2月、「猫虐殺事件」が発生した。あるネチズンが、インターネット上で極めて残忍な猫虐殺映像を公開。このことが多くのネチズンの道徳的な忍耐の限度を超えたため、彼らは検索エンジンの限界に挑戦することになった。

激怒したネチズンたちは性格分析から始め、個人情報を照合の上で容疑者の発表などの手段を取り、ほんの六日間で猫虐殺画像を公開した3人を特定したのだった。インターネットサーチのすさまじいパワーを改めて示すと同時に、今回の事件は人肉捜索が世に知られる画期的な事件となった。仮想世界が、道徳的な意味での容疑者の現実生活に大きな影響を与えるという時代の幕が開かれたのである。

特に注目すべきは、この事件以降、人肉捜索は初期の面白おかしい娯楽的なものから、むしろ、真・善・美の発揚、偽・悪・醜への非難という、秩序の維持と構築を強く志向するものへと急速に変わっていったことだ。

北京盛峰弁護士事務所主任の于国富氏は次のように語っている。

「道理から言えば、人肉捜索による道徳的裁判などは行うべきではない。そうなれば、検索ではなく評価鑑定になってしまう。しかし、現実においては、検索はしばしば識別・鑑別の行為と絡んでいる。こうした状況の下にあるからこそ、ネットユーザーは、最低限の条件を守るべきだ。いかなる人の合法的権益も犯してはならないということ。そうでなければ、法的処罰を受けねばならなくなる」。