Windows 7のエディション

Windows Vistaで導入された数多くのエディションは、Windows Vistaにも踏襲されている。ただし各エディションのポジショニングが若干異なるため、ここでまとめておく。

「Windows 7 Starter(スターター)」はネットブックと呼ばれる低スペックコンピュータ向けのエディションで、OEM販売のみとなる。同時起動アプリケーション数の制限も噂されたが、結果的には廃止された。「Windows 7 Home Basic(ホームベーシック)」は新興市場向けのエディションで、日本は提供外。Windows Vistaでは、新興市場向けがStarter、低機能版がHome Basicというポジショニングだったが、Windows 7では逆になっているので注意して欲しい。「Windows 7 Home Premium(ホームプレミアム)」は一般ユーザー向けエディションで、Windows Vistaの同エディションと同じポジショニングとなる。執筆時点では、Windows 7をプレインストールしたコンピュータは発売されていないが、多くのケースは同エディションを搭載してくるだろう。

「Windows 7 Professional(プロフェッショナル)」はビジネスユーザーや中上級者向けのエディション。グループポリシーやドメイン参加などWindows 7を活用する上で利便性の高い機能を備えている。「Windows 7 Enterprise(エンタープライズ)」は企業向けにボリュームライセンスでのみ提供されるエディション。一般ユーザーが触れる場面は少ないだろう。最後の「Windows 7 Ultimate(アルティメット)」は、すべての機能を兼ね備える"全部入り"のエディション。以上のように世界市場向けに5エディション、地域市場向けを含めると合計6エディションで、Windows 7は構成されている。

なお、このほかにも、欧州委員会のWebブラウザに対する排除命令に対応するため、Internet Explorer 8を搭載するものの、初回起動時は他社製Webブラウザのダウンロードを可能にするページを表示するパロットスクリーン方式を採用した「N」シリーズも用意されるようだ(図30)。

図30: Windows 7のエディション比較表