トラブルの自動解決が可能

Windows OSと付き合う上で、ユーザーが悩まされてきたのが、原因不明のトラブルである。その大多数は絶対的な理由が存在し、簡単なところでは設定項目を見つけられず、動作変更ができないケースや、本来起動していなければならないサービスを止めてしまい、同サービスを使用する機能が動作しないケース。もちろんデバイスドライバやアプリケーションに潜むバグが原因で、ユーザーレベルでは解決できないケースもある。いずれにせよ、単にユーザーがその原因を追及できないことがトラブルを解決できない要因だ。

もちろんトラブルの原因を探し出すのは、コンピュータの操作に慣れた中上級者でも難しいことが多い。そこでMicrosoftは、プログラムやハードウェア、ネットワークといったカテゴリーを設け、自動的にトラブルを解決する「トラブルシューティングツール」という機能を用意した。例えば印刷のトラブルシューティングでは、ローカルプリンタやネットワークプリンタに対して、スプーラーエンジンやプリンタドライバの整合性をテストし、検証結果による修正作業をうながすというもの(図424~428)。

図424: Windows 7の「トラブルシューティング」。数多くのカテゴリーを対象としたトラブルシューティングツールが用意されている

図425: 問題が発生しているカテゴリーのトラブルシューティングツールを起動し、<次へ>ボタンをクリック

図426: プリンタの場合、基本的な項目を確認してから、トラブルシューティングを行なうプリンタを選択する

図427: ここでプリンタドライバやスプーラーの動作など、数多くのトラブル項目が検証される

図428: 終了後に<詳細情報の表示>をクリックすると、トラブルシューティングのレポートが表示され、検証内容の確認や個別項目の再テストを実行できる

ナビゲーションウィンドウにある<すべて表示>をクリックすると、トラブルシューティングツールの一覧が表示されるのだが、興味深いのが「発行元」という項目が用意されている点。例えば周辺機器専用トラブルシューティングツールを用意する場合、この一覧に表示されるかも知れない。

また、これらのトラブルシューティングツールは、新たな同ツールや更新された同ツールをWebサービス経由で入手する仕組みが用意されており、「場所」には<オンライン>と書かれたアイテムも見られるようになった。レジストリエントリーを確認してみると、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft
\Windows\ScriptedDiagnosticsProviderキーにある文字列値「RemoteServer」では「wer.microsoft.com」が定義されており、同サイトにアクセスして、最新のトラブルシューティングツールを入手しているのだろう(図429~431)。

図429: ナビゲーションウィンドウの<すべて表示>をクリックすると、トラブルシューティングツールの一覧が表示される。他社製ツールも追加される可能性がありそうだ

図430: HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft
\Windows\ScriptedDiagnosticsProviderキーでは、トラブルシューティングツールの入手先と思われる「wer.microsoft.com」が定義されている

図431: ナビゲーションウィンドウにある<設定の変更>をクリックすると、トラブルシューティング機能の設定を確認できる