「Windows Liveムービーメーカー」

長らくベータ版として公開されていた「Windows Liveムービーメーカー」だが、2009年8月を持って正式版が公開された。他のケースと異なるのが、Windows Vistaに標準搭載されている動画編集ソフト「Windowsムービーメーカー」の後継版という位置付けではなく、まったく新しいソフトとして作り直されている点。もっとも、Windows 7には同様のアプリケーションが用意されていないため、Windows標準ツールを用いて動画編集を行なう場合、事実上の移行先となる(図551)

図551: Windows Liveムービーメーカーを使えば、写真や動画などを用いてオリジナルの動画を作成することが可能だ

新たに加わった機能のなかでも便利なのが「オートムービー」機能。写真や動画、音楽といった素材を登録し、ボタンをワンクリックするだけで、自動的に視覚効果やタイトルを追加するというもの。もちろん後からタイトル文字を変更し、効果を変更するなどの操作も行なえるため、操作に慣れていない初心者には便利な機能となるだろう(図552~554)。

図552: <オートムービー>ボタンをクリックすると、確認をうながすダイアログが起動するので<OK>ボタンをクリック

図553: 音楽ファイルの追加をうながされたら、<はい>ボタンをクリックし、コモンダイアログからBGMとする音楽ファイルを選択する

図554: これでオートムービー機能による動画の作成が完了した。後はお好みに応じて視覚効果の変更や、タイトルの変更を行なえばよい

そして特筆すべきが出力形式。前述のWindowsムービーメーカーはデジタルビデオカメラからの取り込みは便利だったが、出力形式は制限されていたため、決して使い勝手のよいツールではなかった。だが、Windows Liveムービーメーカーでは、デジタルカメラやデジタルビデオカメラからの取り込みはOS側に任し、自身は編集および出力機能に特化している。

対応するのは1920×1080ピクセルの1080p(プログレッシブフルハイビジョン)から、1280×720ピクセルの720p(プログレッシブハイビジョン)、720×480ピクセルの480pのいずれかから。また、720×480ピクセルで作成した動画を用いたDVDビデオの作成や、ポータブルデバイス向けや電子メールの添付ファイル向けとなる320×240ピクセルもサポート。ユニークなところでは、YouTubeへのアップロードもサポートする。DVDビデオおよび電子メールの添付ファイルを選択した場合、自動的に対応するアプリケーションが起動するため、動画作成からアウトプットまでの一貫した操作が可能だ。ちなみに出力形式はWMV(Windows Mediaビデオ)形式が用いられる(図555~556)。

図555: Windows Liveムービーメーカーでサポートする出力形式。Windows Liveフォトギャラリーと同じようにプラグイン機能もサポート

図556: Windows Liveムービーメーカー上で作成した動画ファイルを、直接YouTubeへアップロードすることも可能だ