最終章は各章から漏れたWindows 7の新機能や注目ポイントに触れていく。まずはデバイス面から見ると、デジタルカメラやデジタルビデオカメラの取り込みがOS上でサポートされた点が新しい。各デバイスをコンピュータに接続してデバイスドライバの組み込みを終えると「自動再生」ダイアログが起動し、一覧に<画像とビデオの読み込み>が現われる。同項目を選択すると、「画像とビデオの取り込み」ダイアログが起動して、ファイル名となる接頭辞を付けると、そのまま読み込みを終え、マイピクチャファイルに動画ファイルが保存されるという流れだ(図639~642)。

図639: コンピュータにデジタルビデオカメラを接続し、「自動再生」ダイアログにある<画像とビデオの取り込み>をクリック

図640: 同名のダイアログが起動するので、ファイル名に付ける接頭辞をテキストボックスに入力し、<読み込み>ボタンをクリック

図641: これでデジタルビデオカメラの動画がコンピュータに取り込まれる

図642: 取り込んだ動画は「マイピクチャ」フォルダに保存される

しかし、必ずしもこのように動作するとは限らない。先のデジタルビデオカメラはHD録画かつUSB接続だったが、手元にあった古めのデジタルビデオカメラ(DVテープ録画)をIEEE1394経由で接続した場合、先の<画像とビデオの取り込み>は現われず、Windows Liveフォトギャラリーがインストールされていれば<ビデオの取り込み>が項目として現われ、Windows 7ではなくWindows Liveフォトギャラリーの機能を用いて動画を取り込むことになった。このようにデジタルビデオカメラの録画形式などによって操作は異なるようだ(図643~646)。

図643: IEEE1394経由のDVカメラを使用した場合、Windows Liveフォトギャラリーの<ビデオの読み込み>のみ表示される

図644: 同項目をクリックすると「ビデオの読み込み」ダイアログが起動し、取り込み形式の選択をうながされる。これはDVテープを用いているからだろう

図645: 取り込み作業自体は、以前のWindows OSと同じような印象を受ける

図646: 動画取り込み完了後は「マイビデオ」フォルダに保存される

この検証中に気になったのが、Windows 7の「画像とビデオの読み込み」機能では、動画ファイルも「マイピクチャ」フォルダに保存される点。取り込み先を確認すると、画像も動画もすべて「マイピクチャ」フォルダが指定されているが、Windows Liveフォトギャラリーの同項目を確認すると、こちらは取り込みメディアによってフォルダが変更されている。これは単純な設定ミスと考えた方がよさそうだ(図647~650)。

図647: 保存先を変更するには「画像とビデオの読み込み」ダイアログにある<読み込み設定>をクリックする

図648: 同名のダイアログが起動したら、「設定」のドロップダウンリストで変更するデバイスを選択し、各<参照>ボタンでフォルダを選択して<OK>ボタンをクリックする

図649: Windows Liveフォトギャラリーの場合は、<ファイル>メニューから<オプション>をクリックする

図650: <読み込み>タブにある「設定」のドロップダウンリストで変更するデバイスを選択し、各<参照>ボタンでフォルダを選択して<OK>ボタンをクリックする

もう1つは、取り込んだ動画のコーデック。HDビデオカメラの場合、拡張子「.mts」を持つAVCHDビデオ形式となる。動画関係に詳しい方はご存じのとおり、パナソニックとソニーが基本仕様を共同で策定したハイビジョン動画記録形式。一方DVビデオカメラの場合、DVコーデックを用いたAVI形式が作成された。このように動画形式に関してはデジタルビデオカメラ側のコーデックが用いられるようだ(図651~652)。

図651: HDビデオカメラで取り込むと、動画ファイルの圧縮形式はAVCHD形式が用いられる

図652: DVビデオカメラで取り込むと、動画ファイルの圧縮形式はDV形式が用いられる