新型コロナウイルス感染症の到来は、オフィスの在り方を再定義する大きなきっかけとなった。
オフィスをなくし完全リモートワークに移行する会社や、あえてオフィス環境に投資しハイブリッドワークを実現する会社など、取り組みは十人十色だ。「出社する場所としてのオフィス」の時代は終わり、世界中の企業はオフィスに新たな付加価値を見出そうとしている。
本連載では、先進的な働き方・オフィス構築を行っている企業に潜入し、思わず「うらやましい」と声を漏らしてしまうその内容を紹介していく。本連載が、「これからのオフィスどうしようか……」と考えている読者の手助けにもなれば幸いだ。
第4回目となる今回は、バイト仲介サービスを手掛けるタイミーのオフィスを紹介する。同社は2月より、本社オフィスを池袋から汐留に移転。約2.5倍に増床された新オフィスには、従業員一人ひとりが生き生きと働けるような仕掛けが散りばめられていた。
タイミーの「あのキャラ」がお出迎え
メインエントランスを抜けると、主に来客向けのタイミーラウンジがある。来客用会議室の周囲には、ゆったりとくつろげるソファスペースがあった。
タイミーラウンジの隣には「タイミー広場」と名づけられたスペースがあり、タイミーの黄色いあのマスコットキャラクターがお出迎え。平常時はABWスペースとして活用できるほか、可動できる什器を組み合わせてイベントやセミナーの会場としても使えるスペースだった。
また、各会議室には、Bridge(橋)やAirport(空港)、subway(地下鉄)といったインフラの名前が付けられていた。同社が掲げるミッション「『働く』を通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」にちなんでいるという。
気分転換し放題の執務エリア
執務エリアも覗いてみよう。
執務エリアは完全フリーアドレス。総座席数は475席で、社員1名に対し1席という考え方で、従業員の人数分の席が用意されている。
そして、執務エリアの隣には、社員同士の打ち合わせなどに「縁側」と呼ばれるスペースがあった。
縁側は眺望も日当たり良く、とても気持ちがいい空間だった。汐留エリアを一望しながら黙々と作業ができそうな特等席もあった。うらやましい……。
さらに奥に進むと、土足厳禁な芝生のエリアがあった。テントやベッドタイプの席などが配置されており、アイデアに煮詰まった時など、気分を変えてリフレッシュや、シーンを変えて働くことができそうだ。
また、一人で集中して業務を行いたいときに利用できる個室ブースや、Web会議などに最適なテレキューブなども完備。
オフィスに映画館!?
給排水を完備したキッチンスペースやコーヒーマシンなどが置いてある「タイミーカフェ」は、ほっと一息つけるリフレッシュスペースだ。業務終了後に2名以上で利用できる「フリードリンクBar」としての役割もあり、週2回はアイスが無料で食べられるという。うらやましい……。
極め付きは「シアターライブラリー室」だろう。ビーズクッションがたくさん置かれた階段状のシアタールームに、98インチの大型モニターを配置。社員がくつろぐためのスペースになっており、チームの成果発表会やチームビルディングなどにも活用できる。ライブラリーコーナーもあり、ごろごろと本を読んでリフレッシュすることもできる。はあ、うらやましい……。
代表取締役の小川嶺氏は、「一人ひとりが生き生きと働き、毎日の仕事が楽しみになるオフィスを目指しました」と、新オフィスのコンセプトを語っていた。確かに、このオフィスは、来ること自体が楽しみになる。「僕も積極的にシアタールームを使っていきます」と小川氏は笑顔を見せていた。