KDDIは11月6日、2027年3月期第2四半期の決算を報告し会見を開いた。売上高は前年同期比4.7%増の3兆528億円、調整後営業利益は同13.9%増の6331億円、調整後当期利益は同13.6%増の3900億円となった。
代表取締役社長 CEOの松田浩路氏は「第1四半期に続き、新中期経営戦略の盤石なスタートを飾る年度となっている」とコメントした。
モバイルはau・UQ mobileの通信収入が増加、ARPUは70円増の4420円に
モバイル通信収入を軸とするテレコムコアセグメントは、調整後営業利益が前年同期比624億円(16.7%)増加。その内訳は、モバイル通信収入が280億円増、それ以外が343億円増だ。モバイル通信収入のオーガニック成長と、コスト構造改革が功を奏した。
モバイル通信収入は前年から335億円増加。顧客基盤の強化による解約率の低下、auおよびUQ mobileのブランドミックス改善、上位プランの契約数増加がそれぞれ成長に寄与したという。
スマートフォン稼働数は3334万契約と増加している一方、解約率は前年同期から0.03ポイント低下するなど、顧客基盤も盤石なものとしている。
ARPU(Average Revenue Per User:ユーザー当たりの平均売上高)は前年同期の4350円から70円(1.6%)向上し4420円に。UQ mobileからauへの移行が純増したほか、auバリューリンクプランやコミコミプランバリュー(UQ mobile)など上位プランの契約も増加している。
また、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を重視したコストコントロールにより、モバイル通信収入以外が343億円増加した。ホッピングなど短期解約者に係る一時金をはじめ、販売戦略の見直しに伴う会計処理変更が好影響だったとのことだ。
「各種の指標が軒並み好転し、成長構造が安定化してきたことを示せている」(松田氏)
金融・エネルギー事業は減益もデバイス関連が利益拡大
金融やエネルギー分野を含むパーソナルグロースセグメントの営業利益は、対前年同期比41億円(3.7%)増加し1149億円。特にデバイス関連が96億円増、Pontaパス・ローソン・その他が73億円増と、増益をけん引した。
対して金融は預金拡充や評価損の影響から73億円減、エネルギーは冷夏に伴う電力需要減と期ずれから56億円減となった。
金融は預貸バランスの正常化に向けて第3四半期までは減益トレンドが続く予想だ。金利上昇に伴う住宅ローン金利の改定、ゴールドカードの推進やマネ活プランの加入促進などの施策により、第4四半期には増益に転じるという。エネルギーは第3四半期に期ずれの影響を解消し増益に転じる見込み。
法人事業はAIインテグレーション売上29%増、データセンターも18.2%増収
ビジネスグロースセグメントの営業利益は、対前年同期比63億円(18.8%)増加した。特にAI関連の需要が高まっており、AIインテグレーションの上期売上高は同29%増加。ビジネスグロース全体の成長をけん引した。
2026年4月にアイレットと合併して誕生したKDDIアイレットは、クラウド基盤の売上を前年から30%増加させている。営業強化によりAI開発案件を創出し、上期のAI開発に関する売上は前年から20%の増加。
データセンター事業も好調だ。拡大するAI推論の需要に対応し、上期の売上高は同18.2%増の577億円、EBITDA(Earnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortization:利払い・税引き・減価償却前利益)は同20.1%増の257億円だ。マージン率は44.5%。
大阪・堺データセンターに次世代GPU「Rubin」導入へ
KDDIの中期経営戦略「Power-to-Connect 2028」で強く打ち出しているデジタルベルト構想。その基盤となるデータセンターに関して、松田氏は「メガワットの規模を追い求めることはせず、ファシリティの上に価値を重ねていく」としている。
「Telehouse」ブランドで展開するコネクティビティ型のデータセンターでは、都心に近い場所で事業者同士を低遅延につなぎ、付加価値の高いサービスを提供する。
一方、大阪堺データセンターを中心とするAIファクトリー型のデータセンターでは、AI計算資源と共にソブリンクラウド、ソブリンAIを展開する。また、堺データセンターでは2027年度に「NVIDIA HGX Rubin NVL8」を導入予定だ。
ドローンや自動運転などのパートナーを堺に集積し、堺でAIの学習と実装を進めるサイクルを強化する。
松田氏は「中期のオーガニック成長5%実現に向けて、テレコムコアでは過度な販促を行わず長期利用者の促進に向けた施策や、お客様接点の拡大に向けたチャネル強化を行う。合わせて、グロース領域の拡大に向けた先行投資や、セキュリティ対策を含む外部環境変化への対応も進める」と話していた。






