KDDIは10月27日~28日、高輪ゲートウェイシティ(東京都 港区)において、ビジネス向けの年次イベント「KDDI SUMMIT 2026」を開催する。4回目を迎える今イベントは、2026年度~2028年度を対象とする新中期経営戦略「Power-to-Connect 2028」を発表して以来初開催となる。
初日は代表取締役社長 CEO 松田浩路氏によるオープニング基調講演の他、金融やモビリティなどパーソナル向けのテーマで講演が展開される。続く2日目はセキュリティやフィジカルAIなど、ビジネス現場を支える技術を中心に話題が進む。
いずれの講演もタイトルには「AI」の文字が目立つことから、業界のフロントランナーとしてAI活用を主導しようとする姿勢がうかがえる。
本稿ではイベントに先立ち、展示の内容を一部ピックアップして紹介したい。
AI時代の通信・計算基盤を構築、データセンターの建設期間を半減
展示エリアで最初に目に飛び込んでくるのは、デジタルベルト構想を紹介するモニターだ。デジタルベルト構想は、松田社長が新中期経営戦略の中で打ち出した、全国規模の低遅延通信網とデータセンターなどの計算基盤を一体で構築するインフラ構想だ。
この大型モニターを中心とするブースでは、「社会を支える通信・AI基盤」を展示。モバイル通信の体感品質向上に向けたAI活用に加え、AIインフラに対応する冷却技術、月と地球をつなぐ宇宙光通信、海底ケーブルなどが紹介されている。
大阪堺データセンターでは、AIサーバと水冷技術、国内完結のデータ管理、閉域ネットワークを一体として提供する。
シャープ工場跡地を活用する同データセンターでは、コンテナ型のモデルを導入することで、従来はデータセンター構築までに18カ月必要なところを、9カ月に短縮可能なのだという。
ヒューマノイド「ひなた」が会場を案内、自然な会話で講演や展示を紹介
続いては未来の生活を予感させてくれる、スマートシティ・リテール領域の展示を紹介する。
KDDIがAVITAと共同開発したヒューマノイド(人型ロボット)の「ひなた(Hinata)」は、会場の案内役。彼女はOsaka Metroでの実証実験において「ヒューマノイド駅員」として活躍した経歴も持つ。
ひなたはKDDI SUMMITの講演内容や展示ブースの情報を学習しており、「次の講演は?」「○○について知りたい」と話しかけると、おすすめの講演や展示を教えてくれる。
「おすすめのランチについて」など、イベント以外の情報にも対応可能。ひなたの手元の画面にQRコードが表示され、これを読み取るとマップが開ける。
筆者もひなたに話しかけてみたのだが、会話のテンポが非常にスムーズな印象を受けた。従来のAIとの対話と比べても、応答の待ち時間が短いように感じる。
このブースではその他にも、データを活用した店舗販促の最適化や、スタジアム・アリーナを中心としたスマートシティ、店舗のスタッフ教育に使えるAIアバターなどを展示する。
ロボットが商品の箱詰めから接客まで、フィジカルAIの実力を披露
フィジカルAIの展示も楽しみだ。ロボティクスのブースでは、工場のキッティング作業や店舗での接客が可能なロボットの動きを見学できる。
キッティング作業では、段ボールを用意してから、雑多に置かれたスマートフォンの箱やケーブルのうち必要な物品を段ボールに詰め、緩衝材を入れて封をするまでの様子を見学できる。
ロボットは段ボールやスマートフォンの位置を認識し、必要な物品を自律的に選び取るという。
コンビニ店舗を模したブースでは、ロボットに欲しい商品を話しかけると、後ろの棚から商品を取ってくれるという様子が見学できる。
複数の自動運転車をAIエージェントが監視、緊急時の対応に優先順位
自動運転の実現に向けては、モビリティコントロールの統合運用に資するソリューションが展示される。
今後の自動運転においては、1人のオペレーターが複数台の車を監視する1対多運行も視野に入ってくる。そうした場合に必要になるのは、災害や事故が起きた際の制御だ。
こうした課題に対し同社は、複数の自動運転車の状況をAIエージェントが評価し、優先的に対応すべき車を選別する技術を開発。展示ブースではそのデモを見学できる。
優先度は、警察や消防への連絡が必要な「最優先」、人による確認が必要な「高」、安全が確認できれば運転を再開できる「中」の三段階で評価される。
モビリティ分野ではこの他にも、ドローンポートやau Starlink Station、モビリティ通信プラットフォーム「SORACOM」、3Dデータ圧縮ソリューションなどを展示している。
KDDI SUMMIT 2026には本稿で紹介しきれなかった多数の展示が用意されているので、ぜひ現地で体験してほしい。













