日立エナジーは10月27日、プロセスインテリジェンスを手掛けるCelonisとの協業を拡大すると発表した。AIとプロセスインテリジェンスをサプライチェーンなどの重要業務に組み込み、供給リスクや生産上のボトルネックを予測。生産性や効率を高め、需要が拡大する電力インフラの提供加速につなげる。

AIエージェントで供給途絶や資材の遅延リスクを予測

今回の協業は、日立エナジーが全社で進めるAI変革プログラム「AI Nexus」の一環となる。AI Nexusでは、産業分野の専門知識とデータ、分析、AIを組み合わせ、業務プロセスや意思決定の高度化を進めている。

背景には、電化の進展や産業の成長に加え、AIを活用するデータセンターの拡大による電力インフラ需要の増加がある。設備メーカーには生産能力の拡大だけでなく、複雑化するサプライチェーンへの対応やリードタイム短縮も求められている。

協業では、日立エナジーが持つ電力・産業分野の専門知識と、Celonisのプロセスインテリジェンス技術を組み合わせる。業務データを分析してリスクやボトルネックを早期に把握し、意思決定を迅速化する。

中核となるのが「Celonis Context Model」だ。日立エナジーの複数の業務システムに分散している情報を統合し、AIエージェントや自動化システムが業務間の関係や影響を把握できる環境を構築する。

例えば、Celonisのプロセスインテリジェンスを利用するAIエージェントが供給途絶を予測し、生産に重要な資材のうち遅延リスクがあるものを特定。生産を継続するための対応策を提案するといった使い方を想定する。

これにより手作業を削減するとともに、サプライチェーンなど複雑な産業オペレーションへの対応力を高める。AIによる最適化をさらに展開することで、生産性や効率、収益性の向上に加え、受注案件の着実な遂行につなげる考えだ。

DatabricksやMicrosoftとも連携、電力インフラ供給を加速

日立エナジー、日立デジタル、Celonisは、DatabricksやMicrosoftなどのテクノロジー・変革パートナーとも連携し、デジタルシステム、業務データ、AI機能をつなぐ拡張性を備えたアーキテクチャを構築してきた。

日立エナジーは、AIを単なる業務効率化ツールとしてではなく、電力インフラの設計や製造、提供に携わる人材の専門知識と組み合わせる。同社は世界140カ国以上で事業を展開し、従業員数は5万6000人以上、事業規模は約2兆4000億円としており、グローバル規模でAI活用を広げる。

両社は今回の取り組みを通じ、AIによる業務変革を電力インフラの生産能力、供給スピード、効率の向上につなげる方針。協業で得た知見については「Celosphere 2026」でも紹介する予定だ。