フォトシンスは11月5日、クラウド型IoTサービス「Akerun入退室管理システム」とLINE公式アカウントを連携し、LINEから無人店舗の扉を解錠できる新機能を開発したと発表した。一部のβ顧客店舗で実証実験を開始し、標準サービス化に向けて有効性や実用性を検証する。
LINEの友だち登録だけで無人店舗へ入店
新機能では、来店客が店頭のQRコードを読み取って店舗のLINE公式アカウントを友だち登録すると、LINE上に表示されるボタンから扉を解錠できる。専用アプリのインストールや事前の会員登録は不要で、店舗側も新たなアプリや会員管理の仕組みを用意せずに導入できる。
背景にあるのが、小売業などで進む無人化・省人化だ。古着店などのリサイクルショップやコンビニエンスストアでは、営業時間の一部または全部を無人化する動きが広がっている一方、従来の仕組みでは事前の会員登録や合鍵の発行・管理が必要となるケースがあり、突発的な来店への対応や防犯面が課題になっていたという。
新機能では、既存の扉に「Akerun Pro」を後付けし、LINE用のQRコードを店頭に掲示することで無人店舗の入店環境を構築できる。Akerun Proの場合、扉への設置工事は不要となる。日中は有人営業し、夜間や早朝だけを無人化するハイブリッド運営や、終日無人で営業する店舗での利用を想定する。
また、LINEから解錠する際にはスマートフォンの位置情報と店舗の位置を照合するGPS認証を利用する。利用者が店舗周辺にいない場合には解錠できないため、第三者による遠隔地からの不正な解錠を防ぐ。
Akerunで取得した入退店履歴は、ピークタイムやリピート率などの来店データとしても利用可能。営業時間やスタッフのシフトを検討したり、マーケティングに活用したりできるとしている。
先行店舗では無人営業時間だけで売上の25%
実証に先行して新機能を利用している小売店では、午前8時~正午と午後8時~11時を無人営業とすることで営業時間を拡大。無人運営の時間帯だけで店舗全体の25%の売上を達成したという。
フォトシンスでは従来から個別の顧客要望に応じてLINE公式アカウントからAkerunを解錠する機能を提供していたが、無人運営・無人販売ニーズの高まりを受けて標準サービス化に向けた開発を進める。
今回の実証期間は2026年10月から2027年春ごろまでを予定。小売店だけでなく、フィットネスジム、コワーキングスペース、レンタルスペース、会員制施設、飲食店などへの展開も想定している。
