この半導体ニュースのまとめ
・ルネサスがスマート家電向け16ビットマイコン「RL78/G21」の量産を開始
・動作電流をRL78/G13比でほぼ半減となる34μA/MHzに抑え、±4kVのESD耐性を実現
・RL78/G23にはタッチ入力を強化した製品を追加し、最大25チャネルに対応
ルネサス エレクトロニクスは10月28日、16ビットマイコン「RL78ファミリ」の新製品として、スマート家電のシステム制御に向けた「RL78/G21」を発売し、量産を開始したと発表した。
RL78/G21は、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジなどのシステム制御に向け、低消費電力設計と周辺機能の最適化を図った製品。バッテリ容量や電源回路、外付け部品の削減を通じ、スマート家電の省エネと低コスト化を支援する。
動作電流をRL78/G13比でほぼ半減
RL78/G21の動作電流は34μA/MHzで、従来製品のRL78/G13と比べてほぼ半減した。
バッテリで動作する製品では電池容量を抑えられるほか、電源回路の小型化やシステム全体のコスト低減につなげることができる。
コードフラッシュメモリは128KBまたは256KB、データフラッシュは4KBを搭載する。±1.0%の精度を備える高速オンチップオシレータ(HOCO)も内蔵し、外付けの発振器やEEPROMを不要とすることで、BOMコストの削減を図った。
動作電圧は1.6~5.5Vで、IEC 60730対応のセルフテストライブラリによる自己診断機能も利用できる。
±4kVのESD耐性で信頼性を向上
RL78/G21は、HBM(Human Body Model)で±4kVの静電気放電耐性を備える。
製造・組み立て工程から最終製品の利用時まで、静電気による故障リスクを抑え、スマート家電の信頼性向上につなげる。
セキュリティ機能としては、フラッシュ読み出し保護、シールド保護、Unique-ID、Customer-IDなどを搭載。模倣品やクローンといった物理的脅威のほか、不正アクセス、情報漏えい、改ざん、なりすましなどのサイバー脅威への対策を支援する。
また、RL78/G13にはなかった通信インタフェース「UARTA」を新たに搭載。センサの追加など、システムの機能拡張にも対応できるようにした。
既存RL78製品から設計変更を抑えて移行
RL78/G21は、既存のRL78/G13およびRL78/G23とのピン互換・機能互換性を確保した。
RL78/G13などを搭載する既存製品の基板やソフトウェア資産を活用しながら、設計変更を最小限に抑えて新製品へ移行することが可能となる。
家電メーカーは、製品全体を設計し直すことなく、消費電力、信頼性、セキュリティ、センサ接続などを強化できる。複数の価格帯や機能を持つ製品で基板設計を共通化し、マイコンを使い分ける用途にも対応する。
開発環境としては「Smart Configurator」と「Fast Prototyping Board」を用意し、周辺機能の設定から試作・評価までを支援する。
RL78/G23のタッチ入力を最大25チャネルへ拡張
ルネサスはRL78/G21と併せ、発売済みの「RL78/G23」に、静電容量式タッチセンシング機能を強化した「R7F104G」を追加した。
従来のR7F100Gは、44ピン品が14チャネル、48ピン品が16チャネルのタッチ入力に対応していた。R7F104Gでは、44ピン品を24チャネル、48ピン品を25チャネルへ拡張した。
多数のボタンやスライダーを備える操作パネルなど、スマート家電のHMI(Human Machine Interface)の高機能化に対応する。
RL78/G21が低消費電力で効率的なシステム制御を担う一方、RL78/G23はシステム制御とユーザーインタフェース機能を1チップへ統合する位置付けとなる。
ルネサスはRL78、RX、RAの各マイコンファミリに向け、タッチ周辺機能と開発支援ツール「QE for Capacitive Touch」を提供しており、シンプルなタッチ操作から高度なグラフィックス表示まで、製品要件に応じたHMI開発を支援する。
参考価格は0.56ドルから
RL78/G21の参考価格は、128KBのコードフラッシュメモリを搭載する44ピンLQFP品が0.56ドル、256KBの44ピンLQFP品が0.77ドルからとなる。いずれも1万個購入時の想定単価となる。
同社はRL78/G21やRL78/G23と自社製品を組み合わせ、スマートリモコンを備えたガス給湯器や家庭用給水ポンプなどの「ウィニング・コンビネーション」も提案している。
システム制御向けのRL78/G21と、タッチHMIを強化したRL78/G23を用途に応じて使い分けられるようにし、低消費電力、信頼性、セキュリティ、ユーザーインタフェースを求めるスマート家電の設計を支援するとしている。
