
研究開発の最前線を支える
「現代の研究開発では、膨大なデータを処理し、高度なシミュレーションを実行するための計算環境が不可欠で、そうした研究開発の最前線を支えているのが当社。日本には素材系や機能性材料、半導体など、モノづくりに強い会社が沢山ある。われわれはモノづくりの最先端研究・技術開発・生産を支える黒子として独自のポジションを築いてきたと考えている」
こう語るのは、HPCシステムズ社長の小野鉄平氏。
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創薬や新素材、自動車の設計や半導体などの研究開発の現場では、膨大なデータ処理や高度なシミュレーションが求められている。近年は生成AI(人工知能)の普及も相まって、それらの開発競争力を左右する高性能計算環境への注目が高まっている。
そうした中、大学や研究機関、製造業などへ向けて、スーパーコンピュータ(スパコン)に代表される高性能計算環境を提供しているのが、東証グロース上場のHPCシステムズだ。
同社のビジネスはHPC(High Performance Computing=科学技術計算向け高性能計算機)事業とCTO(Configure To Order=産業機械向け組込型計算機)事業の2つがメイン。
HPC事業は、主に大学・官公庁の研究開発機関が行う科学技術計算に対応した高性能計算機の開発・製造・販売を手掛ける。それに対し、産業用機械を制御する組込型計算機の開発・製造・販売を手掛けるのがCTO事業。小野氏曰く、「車に例えると、めちゃくちゃ速いFIを作るのと、耐久性が高いジープを作るようなもの」だという。
同社は単に高性能計算機を開発・販売するだけではない。大学や企業など、顧客の研究環境に合わせて、どのようなサーバー構成が必要か、どのようなストレージ環境が必要か、どんな計算環境なら研究開発を加速することができるか。顧客の事情を考慮し、顧客が実際に運用できる状態まで持っていく〝縁の下の力持ち〟企業である。
「われわれは決して表に出てこない、裏にあるインフラを支えている会社。もともとは大学の研究室や研究機関の顧客がメインだったが、現在は3割程度。残りの7割は民間企業の研究開発部門で、自動車や航空宇宙、重化学工業に加え、気象予報や創薬など、研究開発を加速させるための道具としてHPCが使われるようになった」(小野氏)
近年は創薬や材料開発、気候変動予測など、これまで膨大な時間を擁していた研究が、AIによって大きく変わろうとしている。さらに今後、本格的な開発・普及が期待されているのが量子コンピュータ。これら技術の進展によって、世界では研究開発競争が急速に進む。
量子コンピュータの開発を巡っては……