AXRは10月28日、AIデータセンターの開発コンサルティングサービスを開始したと発表した。同サービスでは、候補地や電力の探索、事業スキームと資金調達方法の設計、OT/ITセキュリティ、AI利用環境の構築、GPU資産の活用までを一気通貫で支援する。

立地・電力に関するデューデリジェンスでは、候補地と電源との距離や送配電網の空き容量、用地の造成条件などを調査する。このほか、原子力発電所が立地する地域の変電所を活用できるか、定期検査中に外部電源を確保できるか、市街化調整区域に電気工作物として建設できるかといった点も評価対象となる。

補助制度については、原子力発電施設などの周辺地域を対象とする電気料金の補助を含めて検討。候補地の評価に加え、土地の造成や受変電設備の設置、電力の引き込みにも対応するという。

また、事業スキームとファイナンスの設計では、データセンターを建屋や電力設備などのインフラと、サーバやGPUに分け、それぞれの特性に応じた取得・保有方法を提案する。必要に応じてSPC(特別目的会社)の設計や、売却による出口戦略の策定も支援する。

AI利用環境やセキュリティ運用まで統合

物理的なデータセンター基盤には、ローカルLLMやソブリンAI、RAG、AIエージェントなどの利用環境を組み合わせる。また、企業のナレッジ基盤に関するコンサルティングや人材提供にも対応し、土地と電力の確保からAIを利用できる環境の構築までを支援する。さらに、量子コンピューティングへの拡張についても、PoC(概念実証)の提案が可能としている。

セキュリティ面では、データセンターの物理セキュリティとITセキュリティの双方を扱う。具体的には、SOC(セキュリティオペレーションセンター)による常時監視を設計に組み込めるほか、レッドチームによる侵入検証にも対応する。また、外部のセキュリティ企業などと連携し、設計段階から稼働後の運用まで継続して支援するという。

GPUの用途を段階的に変更

AXRは、GPUサーバが短期間で世代交代し、創出できる価値が変化する点も事業設計に反映する。具体的には、GPUの用途を段階的に移す「価値カスケード」と、中古GPUの調達や性能調整、旧世代機の活用を組み合わせる。これにより、同社はGPUの価値をできるだけ長く引き出し、導入から3年目以降も収益を生み出せる状態の維持を支援すると説明している。

今後は、複数の候補地でAIデータセンターを展開し、開発を希望する事業者との協議や契約、構築を進める。併せて、自治体や電力会社、土地所有者、GPUサーバの販売・購入に関わる事業者などとも協議し、候補地ごとに関係者を取りまとめるとしている。