
「世界を見ればまだポテンシャルがある」
「欧米市場で支持が広がり、グローバルブランドとして認知され始めた。〝日本のブランドだから買う〟から〝グローバルブランドだから買う〟に、お客様の視線が変化してきた。これは新たな成長を実現する大きなチャンス」
こう語るのは、ファーストリテイリング(FR)会長兼社長の柳井正氏。
FRが2026年8月期の連結業績を発表。売上高にあたる売上収益は3兆9633億円(前年同期比16.6%増)、営業利益7431億円(同31.7%増)、純利益5425億円(同25.3%増)と、5期連続で過去最高の業績を達成した。
世界のアパレル業界では、3位のスウェーデン『H&M』(約3.6兆円)を抜き、首位で『ZARA』のスペイン・インディテックス(約7兆円超)に次ぐ2位に浮上したことになる。
同社のけん引役となったのは、主力のユニクロ事業。ボトムスやTシャツなどの通年商品、ヒートテックなどの機能性商品の販売が好調で、全ての地域で増収増益を達成した。中でも、欧米地域が伸長し、北米と欧州を合計した売上規模(8776億円)が、初めて中国(7240億円)やその他アジア地域(8094億円)を上回った。
今後は消費をけん引する若者が多く、経済成長が見込まれる東南アジアを強化する方針。柳井氏は「毎年、グループ全体で売上収益を5000億円ずつ増やしていきたい。世界を見れば、まだポテンシャルがある地域ばかり。ユニクロは世界中で受け入れられると思う」と語り、ブランド力が定着したことに一定の手応えを感じているようだ。
FRのビジネスモデルは、商品の企画から生産、販売まで全てを自社で行う製造小売業(SPA)。良品計画やニトリホールディングス、コンビニ大手3社など、近年、成長を続けているのは、リスクを取ってSPA化を進めている企業ばかり。
一方、アパレル業界では、ワールドとTSIホールディングスが経営統合することを発表。主要販路である百貨店業界が低迷しており、両社ともビジネスモデルの転換を急ぐ。生き残りをかけた熾烈な競争が続く。