【 農林水産省 】簗農水相が1カ月で辞任 農政課題は山積したまま

簗和生農林水産相が高市早苗首相に辞表を提出した。過去の衆院選の期間中に、支持者をシャトルバスで演説会場まで無料送迎した問題などを野党から追及されており、事実上の更迭とみられる。

 簗氏を巡っては、今年2月の衆院選で自身を支持しなかった地元自治体の首長に対し、道路予算を「カットした」などと発言した問題についても「行政の公平性を歪める」との批判が高まっていた。

 簗氏は10月13日の衆院予算委員会で、無料送迎問題について陣営のスタッフが事前に地元の選挙管理委員会に確認し、違法性がないと主張したが、栃木県選挙管理委員会はこれを否定。簗氏は14日の予算委で、スタッフが実際に問い合わせたのは収支報告書への計上方法であった可能性を示し、答弁を事実上修正した格好となった。

 高市首相は、簗氏の処遇を巡り「法令違反ではないかという判断に至ったときには、人事上のことも躊躇しない」と述べ、更迭も辞さない考えを示していた。国会審議の停滞を懸念する声が強まり、農水相の辞任は不可避の情勢となっていた。

 高市首相の信認が厚いとされた簗氏は、第2次高市改造内閣で初入閣した。資材価格の高騰対策、農林水産物の輸出拡大など8項目の指示を受けており、簗氏が去っても農政の課題は山積みのままだ。

 高値が続いていたコメの販売価格は、政府備蓄米の放出などで需給が緩和し、約2年ぶりに5㌔㌘で3000円を割る水準に下落している。消費者は歓迎する一方、値下がりが続けば農家の経営を圧迫しかねない。

 また、政府は米国産生鮮ジャガイモの輸入解禁を検討しているが、国内農家からは病害虫の侵入などを不安視する声も根強い。

 就任からわずか1カ月で辞任した簗氏だが、農水相は過去にも不適切な発言などで辞任を余儀なくされるケースが目立つ。

 記憶に新しいところでは、”令和の米騒動”の最中に「コメは買ったことがない」発言が反発を招いた江藤拓氏やいわゆる”政治とカネ”問題で辞任した西川公也氏や吉川貴盛氏など、これまでも任期半ばでの大臣辞任に追い込まれるケースが相次いでいる。

 後任の武部新大臣には、確かな手腕だけでなく、誠実な人間性も求められている。

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