【 経済産業省 】エネルギー安全保障の強化へ アジア各国と石油備蓄で協力

日本が主導し、豪州やインドネシアなど11カ国で構成する「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」の閣僚会合が10月、フィリピン・マニラで開かれた。共同声明では、中東情勢悪化に伴うアジアのエネルギー危機を踏まえ、エネルギー安全保障の強化やサプライチェーン強靱化に取り組むことを確認した。各国が協力して石油備蓄を進める作業計画も策定した。

 AZECは従来、脱炭素化を進める枠組みだった。ただ、米国とイスラエルによるイラン攻撃でホルムズ海峡が実質封鎖され、中東依存度が高いアジアで多くの国が原油調達難に陥ったことを受け、4月に経済やエネルギーの強靱性の視点も加えた「AZEC2.0」に枠組みを拡充した。

 こうした経緯から、今回の共同声明は、従来のクリーンエネルギーへの移行推進を堅持しつつも、エネルギー供給体制の信頼性を高めることに重心を移した内容になった。

 象徴的なのが「石油備蓄能力の強化」を強調した点だ。声明では、東アジア・ASEAN経済研究センター(ERIA)が地域石油備蓄調査を行い、各国の備蓄制度や地域共同備蓄制度の構築を支援するとした。

 さらに、これについて作業計画に当たる「AZEC閣僚石油備蓄強化ワークプログラム」も策定。備蓄制度について国家備蓄、民間備蓄、産油国共同備蓄などの方式の検討を進めると明記。備蓄目標水準や緊急時の放出基準など、制度設計に欠かせない要素を整えるとした。

 実際に必要となる備蓄インフラでは、将来のエネルギー需給見通しやエネルギー政策の整合性を勘案し、インフラの規模や立地を評価し、整備計画を策定するとした。緊急時での連携枠組みも整えたい考えだ。

 各国が合意を前提に、既存インフラの共同利用や第三国備蓄スキームといった協力の仕組みを検討する方向も示された。

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