この半導体ニュースのまとめ
・Micronが台湾で2番目となる先端パッケージング・テスト工場「AATT2」を稼働
・HBMの後工程を担う新工場の2027年生産分はすでに全量販売契約済み
・12層HBM4は1スタック当たり毎秒2.8TB超の帯域幅を実現
Micron Technologyは10月15日、台湾台中市の中部科学園区にて先端パッケージング・テスト台湾第2工場(AATT2)の開所式を挙行した。
同社の台湾での2番目となる先端パッケージング・テスト工場で、HBMの後工程を担う。同社のマニッシュ・バティア社長 兼 最高執行責任者(COO)は開所式にて「新工場の2027年生産分はすでに全量販売契約済みである。HBM市場は2028年までDRAM産業全体を上回るペースで成長する見通しだ」と述べた。
量産される12層のHBM4は、1スタック当たり毎秒2.8TB超の帯域幅、ピン当たりの転送速度は毎秒11Gビット超だという。
台湾でDRAMとHBMの生産拠点拡大を進めるMicron
台湾はMicronのDRAM/HBM生産の中核地域であり、雇用者数も約1万5000人と大きい。台中のほか、苗栗県・銅鑼、桃園、台南でも工場を拡張しており、Micron台湾法人の盧東暉会長によると、2026年6月までの台湾での累計投資額は1兆6000億NTドル(約7兆7900億円)を超え、その約半分が直近4年間に投じられたとする。中でも台中は台湾最大の製造拠点で、HBM後工程の核心的ハブの役割を担っているという。
また桃園では、EUV露光装置を活用する次世代DRAM生産拠点となる第11工場(Micron Fab 11E)が建設中で、将来的には高NA EUVの導入も可能だという。稼働開始時期は2027年末から2028年初めを見込む。
銅鑼は、Powerchip Semiconductor Manufacturing(PSMC)から18億ドルで取得した300mm工場(Fab P5、クリーンルーム面積は約2万8000m2)があり、既存工場からの本格的な製品出荷は2027年半ばを見込むほか、同敷地での2棟目のクリーンルーム(約2万8000m2)の建設も始まっている。台中拠点とも約24kmほどであり、同社は両拠点を連携させる方針だという。
台南は、2024年に買収したAUO(友達光電)子会社の旧ディスプレー工場をウェハ検査工場への転用を進めている。装置搬入を2026年9月上旬より開始し、天井の高い倉庫を3層のクリーンルームに改装する計画だという。
これら4拠点は、ウェハ製造、検査、HBM組み立て・最終検査という異なる工程にまたがっており、台湾域内だけで前工程から後工程まで一貫した生産が可能な体制となっている。
労使紛争がHBM出荷に影響か?
なお、Micron台湾法人の労働組合が、韓国メーカー同様の現行の業績連動賞与制度を営業利益の15%を分配する仕組みに改めるよう求めた労使紛争がエスカレートしている。
Micronは9月、台湾の従業員1人当たり100万NTドル(約480万円)の賞与を発表したものの労使調停は決裂。労働組合は10月初旬にストライキ権を獲得し、桃園工場労働組合が10月22日にストライキを実施し、会社と交渉を続ける台中工場労働組合を支援すると発表している。桃園と台中の両工場でMicronの総生産量の6割以上を占めており、AI向けメモリの納品への影響が出る可能性がある。 台湾総統の頼清徳氏は、AATT2の開所式の主賓挨拶の際、この労使紛争に触れ「調和のとれた労使関係を築くことによってのみ、ウィンウィンの状況が実現できる」とし、両者が誠意をもって交渉を続けることへの期待を示した。

