楽楽生産をはじめ楽楽クラウドなどを手掛けるラクスは10月14日、自社専用のシステムを作成するサービス「ASURACORE(アスラコア)」を2027年4月より提供開始することを発表し、記者説明会を開催した。

顧客の業務課題を「ASURACOREディレクター」と呼ばれる専門人材が聞き取り、AIを活用しながら要件整理、設計・構築、検証、その後の調整まで伴走しながら支援する。

ラクスが楽楽クラウドなどの開発で培ったシステム開発の知見をAIと組み合わせ、顧客それぞれの業務フローや現場課題に応じた専用の業務システムを提供するとのことだ。

  • ASURACOREで独自システムの構築を支援する

    ASURACOREで独自システムの構築を支援する

代表取締役社長の中村崇則氏はASURACOREの名称について、「仏教の守護神『阿修羅(サンスクリット語でアスラ)』と、業務の『核(CORE)』となる存在になるという意味を込めた」と紹介した。

  • 「ASURACORE」を発表する中村崇則氏

    「ASURACORE」を発表する中村崇則氏

専用の業務システムを専門家とAIが最短1カ月で納品

ASURACOREではまず、ラクスやSIerなどパートナー企業のASURACOREディレクターと呼ばれる専門人材が、顧客の業務課題や悩み、要望をヒアリングし、業務の進め方を整理する。

その後、必要な機能や情報をシステム要件として落とし込み、AIを用いてシステムを構築する。システム構築後もASURACOREディレクターが動作の確認や現場からのフィードバックを反映するなど、伴走しながら業務定着を支援する。

利用者はASURACOREディレクターに業務の悩みを伝えるだけで、システム構築の専門知識を持たなくても独自のシステムを導入できるようになる。

  • ユーザーはASURACOREディレクターに悩みを伝えるだけでいいという

    ユーザーはASURACOREディレクターに悩みを伝えるだけでいいという

ASURACOREはこれまでラクスがSaaSを開発・提供する中で培った、業務知識やシステム開発の知識をオントロジーとして学習している。既存サービスで開発された機能単位の部品をコンポーネントとして活用することで、迅速なシステム開発を実現している。

  • 楽楽クラウドで培った開発の知見を盛り込んでいる

    楽楽クラウドで培った開発の知見を盛り込んでいる

ラクスの取締役でCAIO(チーフAIオフィサー)を務める本松慎⼀郎氏は「当社の楽楽販売は各機能を部品化し、個社に合わせた販売管理システムを作れる仕組みを提供してきた。コンポーネントという部品を組み合わせて各社に合わせたシステムが作れることは楽楽販売によって証明されており、コンポーネントの品質も担保している」と説明した。

  • ラクス 取締役 兼 CAIO 本松慎⼀郎氏

    ラクス 取締役 兼 CAIO 本松慎⼀郎氏

想定ユースケース:製造卸売業の営業マネージャーの場合

ここから、製造卸売業の営業組織マネージャーが営業案件の受注見込みを管理するシステムを構築する場面を想定して、ASURACOREの活用法について紹介する。

まず出発点は、顧客の業務課題だ。「案件管理がバラバラで進捗が分からない」「見積計算が手作業で、複雑で時間がかかる」「受注見込みをすぐに答えられない」といった課題を、ASURACOREディレクターに相談する。

  • まずはユーザーの現場課題を聞き取る

    まずはユーザーの現場課題を聞き取る

すると、ASURACOREディレクターは顧客の要望に合わせた機能を検討し、必要な情報や画面を整理する。実際にシステムを構築するのはAIだ。ASURACOREディレクターとAIが相談しながら、整理した要件を具体的なシステムに落とし込む。

  • ASURACOREディレクターとAIが具体的なシステムを構築する

    ASURACOREディレクターとAIが具体的なシステムを構築する

システム構築後はユーザーとASURACOREディレクターが実際にシステムを使いながら、使い勝手を調整しつつ、実際の業務にフィットするよう調整する。

  • システム構築後も追加の課題に応じて調整する

    システム構築後も追加の課題に応じて調整する

なお、ASURACOREディレクターはラクス社内の人材に限らず、SIerなどのパートナー企業と連携しながら拡大する方針だ。

2029年3月期にARR10億円

ASURACOREは2027年1月より顧客向けに展開開始し、2027年4月より正式販売・パートナー展開を開始する予定。また、2027年度中にはインドネシアでも展開予定だ。以降はベトナムなどへも順次販路を拡大する。

本松氏はASURACOREの事業目標について、2029年3月期までにARR(Annual Recurring Revenue:年間経常収益)10億円を目指すとしている。この目標は現中計には反映されていない。

さらに、できるだけ早期のうちに、売上1000億規模を目指すとのことだ。