freeeは10月9日、従業員500名以下の中小企業の経営者・バックオフィス担当者1,851名を対象に、日常業務でのAI活用に関する調査結果を公開した。調査では、回答者の51.1%が業務で週1回以上AIを利用する一方、AI利用者の52.5%が回答精度や処理結果に不安を感じていることが分かった。

調査は6月16日~25日にインターネットで実施した。回答者の内訳は、経営者728名、バックオフィス担当者1,123名となる。

AI利用者の52.5%が回答精度に不安

まず、日常業務におけるAIの利用頻度を尋ねたところ、週1回以上利用している割合は51.1%となり、回答者の半数を超えた。

一方、AI利用者の52.5%は、AIの回答精度や処理結果に不安を感じていると回答した。利用頻度別では、毎日複数回利用するヘビーユーザー層の59.9%が不安を感じており、その他の利用層の49.4%を10.5ポイント上回った。

  • AI利用者の過半数が回答精度に不安

    AI利用者の過半数が回答精度に不安

不安を感じる層ほどAI活用の拡大に前向き

AIに対する不安と、今後の活用意向についても調査した。現在AIを利用している回答者のうち、今後さらに積極的に活用範囲を広げたいと答えた割合は、AIへの不安をあまり感じていない層では20.9%だった。

これに対し、不安を感じている層では34.8%となり、約1.7倍の差があった。調査結果からは、回答精度などに不安を抱えながらも、AIの利用を控えるのではなく、業務における活用範囲を広げようとする傾向が示された。

  • 不安が強い層の34.8%が活用拡大を希望

    不安が強い層の34.8%が活用拡大を希望

約4人に1人がAI利用後の「検証労働」を実感

対話型AIで情報を収集した後、提示された企業名や製品名を検索エンジンなどで調べ直す理由については「AIの回答が正確かどうか、公式情報で裏付け確認したいから」が550件で最も多かった。「情報が足りないから」の465件を上回っており、情報を補完する目的だけでなく、AIの回答を検証するために再検索する利用者が多いことが分かった。

また、AI利用者の23.7%は、「準備・確認・修正に、削減できた時間と同程度の手間がかかる」と回答した。これは作業時間を実測した数値ではなく、回答者の実感を示したものとなる。

  • 約4人に1人が「検証労働」を実感

    約4人に1人が「検証労働」を実感

AI活用が進まない、または成果が出ない最大の理由については、19.5%が「結局人間が確認・修正しており手間が減らないから」と回答した。freeeは、AIの利用前後に発生する準備・確認・修正の負担を「検証労働」と位置付けている。

AI利用経験者の37.7%、事務作業が減った実感なし

経理や労務、請求などの事務作業については、AI利用経験者の37.7%が「作業が減った実感がない」と回答した。AIが処理の一部を代替しても、前後に確認や修正が必要になることで、業務全体の削減効果を感じにくくなっているとfreeeは分析している。

  • AI利用経験者の37.7%が事務作業の削減を実感できていない

    AI利用経験者の37.7%が事務作業の削減を実感できていない

同社は、こうした検証負担を軽減するため、利用者が自ら操作する「Done by You」から、AIに業務を任せる「Done for You(D4U)」への転換を進める方針を示した。業務データをAIが扱いやすい構造にするとともに、操作権限の管理や証跡の記録、分析から実務の実行までをつなぐ仕組みを活用し、AIに業務を任せられる環境の実現を目指すという。