この環境技術ニュースのまとめ
・SCREENホールディングスがMOFを開発する京都大学発ベンチャーのAtomisに出資
・Atomisは用途に応じたMOFの設計から低コスト製造、販売までを一貫して展開
・Atomisの気体制御技術とSCREENの界面制御技術を組み合わせて製品へ活用
SCREENホールディングスは10月8日、多孔性金属錯体(MOF:Metal-Organic Framework)を開発するAtomis(アトミス)の第三者割当増資を引き受け、同社の株式を取得したと発表した。出資額や出資比率は明らかにしていない。
Atomisは2015年に設立された京都大学(京大)発のスタートアップ(ベンチャー)で、ノーベル化学賞を受賞した京大 高等研究院の北川進 特別教授の研究成果を基盤に、MOFの実用化と社会実装に向けて、用途に応じたMOFのカスタマイズ設計から、独自の合成法による低コスト製造、販売までを一貫して手掛けてきた。
気体を分離・吸着・回収するMOF
MOFは、金属イオンと有機分子を組み合わせて形成する多孔性材料で、内部に分子レベルの細孔を持つ。組み合わせや細孔構造を調整することで、対象とする気体に応じた機能を持たせることが可能だという。
空気中の成分を含む多様な気体を効率的に分離・吸着・回収できることから、二酸化炭素(CO2)などの特定ガスの分離・回収や気体の貯蔵をはじめ、脱炭素や省エネルギー分野への応用が期待されている。
SCREENの界面制御技術と組み合わせ
SCREENは、界面で生じる物理現象や化学反応を精密に制御する「界面制御技術」をコア技術の1つに位置付け、半導体製造装置をはじめとする事業やソリューションを展開している。
一方、AtomisはMOFによる「気体の制御」を通じ、環境・エネルギー分野の課題解決を目指している。SCREENは今回の出資を通じてAtomisとの連携を強化し、両社の技術を組み合わせることで、SCREEN製品の機能向上と競争力強化、新たな価値の創出につなげることを目指す。
具体的な対象製品や用途、開発スケジュールは明らかにしていないが、今後、両社はそれぞれの技術を生かし、環境・エネルギー分野をはじめとする社会課題の解決に取り組んでいくとしている。