【 財務省 】片山大臣は続投、次の山場は「消費税引き下げ」

高市早苗首相が9月17日に実施する内閣改造で重要閣僚の留任が相次いだのは、片山さつき財務相の続投が内定していたためだとされる。

 一時、首相は主要閣僚と自民党4役の間で財務相ポストを含め入れ替えを検討したといわれるが、首相が掲げる積極財政に対する信認が国際社会で揺らげば、為替の乱高下や金利の急騰を招くリスクはくすぶっており、政策通で語学も堪能、発信力も高い片山氏を「交代させるシナリオは早々に消えた」(与党幹部)。

 政府は、飲食料品の消費税率を来年4月から2年間限定で8%から1%に引き下げると共に、中低所得者向けの現金給付を実施し税負担を「実質ゼロ」とする方針を決め、10月上旬に召集予定の臨時国会での関連法案成立を目指すが、主要野党は時限的な引き下げに反対しており、臨時国会で野党が攻勢をかけるのは必至だ。

 片山氏の続投は、首相と距離がある財務省幹部にとっても「ベストシナリオ」(同省幹部)で、経済財政運営が高市政権の「最大のウィークポイント」(官邸筋)といわれる中、片山氏の存在感は今後、さらに高まりそうだ。

 高市政権の経済政策を巡っては、ベッセント米財務長官が1日、主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見で、大規模な金融緩和と財政拡張を続けてきた日本に対し「リフレ政策をやめるべきだと伝えた」と発言。

 これに関連し、片山氏は3日、ベッセント氏から高市政権の経済政策に対し「特に注文はない」と述べた。「予算制度改革も成長戦略も全部やっていることに大変期待してもらっている」とも語り、米国の”言いなり”との批判をけん制した。与党幹部は「首相面会直後の発信は片山氏ならではの勘の良さだ」と話す。

 一方、8日の閣議後会見で、片山氏は返済期間が40、50年の超長期の住宅ローンを取り扱う金融機関の動向を注視する考えを示した。

「変動金利が上昇した場合、毎月の返済額や総返済額がかなり増加することがあり得る。利用者に金利リスクなどを適切に理解してもらわなければならない」とした上で「借り手への説明や審査体制を注視していく」と述べた。

【 企業と株主の関係を考える 】日比谷パーク法律事務所代表・弁護士・久保利英明 × 早稲田大学名誉教授・上村達男