電通は9月15日、在阪民放3局とともに、広告主が設定したターゲット視聴者数に基づくテレビ広告取引「CONNECTED VIEW」の実証実験を実施したと発表した。地上波テレビで、任意のターゲット視聴者数を基準とした複数局同時の広告取引は初めての取り組みとなる。

  • 「CONNECTED VIEW」のロゴ

    「CONNECTED VIEW」のロゴ

取引には、同社のテレビ個人視聴データ「COSMOS DATA」を活用した。テレビ実視聴データを用いた統合マーケティング基盤「STADIA360」と独自の大規模生活者意識調査データを掛け合わせた全国約1700万人規模のデータで、約16万項目を組み合わせ、任意のターゲットのテレビ視聴を計測できる。

取り組みの概要

同社によると、テレビ広告は従来、主に視聴率を基準に取引されており、広告の計画から接触、効果検証までを一貫した指標で管理することが難しかったという。

実験は広告主の同意のもと、2026年6月~7月に近畿広域圏を対象に実施した。15秒の広告で、通常のテレビスポット広告の取引と「CONNECTED VIEW」による取引を行い、運用フローや広告効果を検証した。

放送局が計画との差分や進捗を日々確認しながら広告枠を運用した結果、3局合計で発注に対して約154%のターゲット視聴者数を獲得した。

  • 「CONNECTED VIEW」によるテレビ広告運用実績。3局合計(左)とA局(右)のターゲット視聴数の推移

    「CONNECTED VIEW」によるテレビ広告運用実績。3局合計(左)とA局(右)のターゲット視聴数の推移

テレビ広告非接触者と比べ、サイト来訪率は約1.1倍、指名検索によるサイト来訪率は約1.4倍となった。

  • テレビ広告接触者の効果検証。「CONNECTED VIEW」での広告接触者は、非接触者に比べサイト来訪率が約1.1倍、指名検索によるサイト来訪率が約1.4倍となった

    テレビ広告接触者の効果検証。「CONNECTED VIEW」での広告接触者は、非接触者に比べサイト来訪率が約1.1倍、指名検索によるサイト来訪率が約1.4倍となった

同社は、ターゲット視聴者数に基づくテレビ広告取引が、既存のスポット取引と同等かそれを上回る広告成果の獲得に寄与する可能性が示されたとしている。また、計画策定から放送運用、効果測定、行動者の詳細分析までを単一のデータ基盤で管理する運用モデルの有効性も確認したという。

同社は今回の検証をもとに、テレビ広告の取引精度向上を目指す。今後は地上波民放各社やBS民放各社との実証実験・環境整備を通じてデータ活用基盤を強化し、プランニングと運用の高度化を進めるとしている。