Windows Latestは9月6日(現地時間)、「Microsoft is ending Windows 11's web app slop era, and AI now writes native apps in 30 minutes」において、MicrosoftがAIを活用したWindows 11向けのネイティブアプリ開発を促す新たな「クイックスタートガイド」を公開したと伝えた。
VS Code、.NET SDK 10、Windows App Development CLI、WinUIのプロジェクトテンプレート、GitHub CLI、WinUIエージェントプラグインを組み合わせ、空のフォルダーから公開可能なWinUIアプリを作る手順を示している。MicrosoftはVisual Studioを使わず、無料のツールやGitHub Copilotの無料枠を利用し、約30分でMicrosoft Storeへの公開申請まで進められると説明している。
AIエージェントでWinUIアプリを開発、公開申請まで30分
このガイドでは開発環境の構築、プロジェクトの作成、ビルドとテスト、AIエージェントによる機能追加、MSIX形式のインストールパッケージの作成、Microsoft Storeへの公開申請までを解説する。ただし、この所要時間には各種アカウントの作成やMicrosoft Storeによる審査時間などは含まれていない。
WinUIアプリのAI開発で重要な役割を果たす「WinUIエージェントプラグイン」は、WinUIの設計、コードレビュー、テスト、フレームワーク移行など8つの専門知識をGitHub Copilot CLIに提供する。
このプラグインを利用しない場合、AIが時代遅れのコードを提案する可能性があるという。これはAIモデルの学習データに、最新のWinUIコンテンツよりも過去のサンプルコードを大量に含むことが理由とされる。
WPFやElectron、Flutterからの移行も支援
WinUIエージェントプラグインはUIフレームワークの移行知識も備える。移行元としてはWPF、UWP、SwiftUI(iOS)、React Native、Electron、MAUI、Flutterをサポートし、既存アプリのWinUIへの移行を支援する。
ただし、基盤となるAIモデルはWinUIよりも移行元のデータを大量に学習しているため、正確なAPIマッピングを提供しなければ古いパターンを再現する可能性があるという。そこでMicrosoftはフレームワークごとの一般的なAPI置換テーブルを公開し、活用を提案している。
Microsoft自身がWinUIへ移行できるかが普及の鍵
Microsoftが今回、AIによるWinUIアプリ開発や既存フレームワークからの移行支援を打ち出した背景には、こうした開発者側の移行コストを下げ、WinUIの採用を促す狙いがあるとみられる。
Windows向けアプリでは、ElectronなどWeb技術をベースとしたフレームワークも広く利用されている。WindowsのUIフレームワークはこれまで変遷を重ねてきたことから、開発者にとって新たなフレームワークへの移行には学習や再実装のコストが伴う。一方、Web技術を利用したアプリは既存のコードや開発ノウハウを再利用しやすいという利点がある。
AIエージェントのWinUIサポートは、現状を打開する強力な一歩になる可能性を秘める。しかしサードパーティ開発者にWinUIへの移行を求めるのであれば、Microsoftが率先して有用性を証明する必要がある。
同社製品が移行しないのであれば、再度の方針変更を懸念する開発者は二の足を踏まざるを得ない。同社の真剣さを伝えるためにも、AIによる手軽な移行ガイドの公開に留まらず、幅広い製品のWinUI化まで取り組むことが望まれている。
