TD SYNNEXは9月7日、Broadcomのクラウドベースの統合型XDRソリューション「Symantec CBX」の国内提供開始に伴い、メディア向け説明会を開催した。Broadcomとの協業では、通常のディストリビューションとは異なるモデルを採用するという。本稿では、その狙いとSymantec CBXの特徴を紹介する。

Broadcomは開発、TD SYNNEXは国内展開を担う

「Symantec CBX」の研究開発や製品開発などはBroadcomが担い、日本市場におけるマーケティング・販売・アフターサポートはTD SYNNEXが担当する。つまり、ソフトウェアメーカーのバリューチェーンにおいて、“Go-To-Market“ 機能をTD SYNNEXが一括して担当する。

代表取締役社長の國持重隆氏は、その狙いについて次のように説明した。

「Broadcomが研究開発に注力し、Go-To-Marketは各地域・国で実績があるところに任せる。これにより、双方の強みを生かすことを目指している。通常のディストリビューターとは異なる動きであり、新しいビジネスモデルとしての期待を持っている。他のソリューションへの展開も視野に入れている」

  • TD SYNNEX代表取締役社長 國持重隆氏

    TD SYNNEX代表取締役社長 國持重隆氏

  • BroadcomとTD SYNNEXによる新たな協業モデル。TD SYNNEXがGo-To-Marketを一括して担う

    BroadcomとTD SYNNEXによる新たな協業モデル。TD SYNNEXがGo-To-Marketを一括して担う

國持氏によると、Broadcomはこれまで大企業を中心にセキュリティ製品を展開してきたという。今後はTD SYNNEXの販路を生かし、中堅・中小企業にも展開していく。

國持氏は「大企業が利用していたセキュリティの機能を中堅・中小企業も使えるようになる」と、ユーザーのメリットもアピールした。

「Symantec CBX」の3つの特長

「Symantec CBX」は、SymantecとCarbon Blackのセキュリティ機能を統合した、クラウドベースの統合型XDRソリューションだ。エンドポイント、ネットワーク、データを横断して脅威を可視化・検知し、対応を支援する。

取締役 ブロードコムビジネス部門 部門長(兼)ファイナンス部門 部門長 松澤太郎氏は、Symantec CBXについて「大企業に加え、セキュリティ運用に十分なリソースを確保できない企業でも利用できるよう設計されている」と説明。特長として「シングルエージェント」「AI駆動XDR & SOC」「柔軟な拡張性」の3つを挙げた。

  • TD SYNNEX 取締役 ブロードコムビジネス部門 部門長(兼)ファイナンス部門 部門長 松澤太郎氏

    TD SYNNEX 取締役 ブロードコムビジネス部門 部門長(兼)ファイナンス部門 部門長 松澤太郎氏

シングルエージェント

単一のエージェントで複数のセキュリティ機能を利用できるようにすることで、端末の負荷やエージェント間の競合リスクを抑える。

「エージェントが複数ありコンソールがわかれていると、コンテキストがわからなくなることもあった。しかし、Symantec CBXはシングルエージェントなので、迅速かつ容易に状況を把握できる」(松澤氏)

AI駆動XDR & SOC

「Symantec CBX」では、AIの活用とデータの自動統合により、「アラートノイズの削減」「攻撃タイムラインの初期段階における自動的な防御」「トリアージ⼯数の削減」「インシデント調査や対応にかかる時間の削減」を実現する。これにより、SOC運用を効率化する。

柔軟な拡張性

「Symantec CBX」は、企業のセキュリティ成熟度やニーズに応じて機能を拡張できる。シングルエージェントを導入しておけば、端末側で新たな作業を行うことなく、Webセキュリティやデータセキュリティなどの機能を追加できる。

具体的には、エンドポイントセキュリティを中心とした「エッセンシャル」、すべての機能を搭載した「コンプリート」が用意されている。

また、同じエージェントが動作するエンタープライズ版と連携して、テレメトリをつなげて運用の統合も可能だ。テレメトリが統合されると、精度が高い形で分析につなげられる。

  • AIを活用して攻撃経路を可視化する「Threat Tracer」。ユーザーやデバイス、プロセス、ファイルなどの関係を視覚的に把握できる

    AIを活用して攻撃経路を可視化する「Threat Tracer」。ユーザーやデバイス、プロセス、ファイルなどの関係を視覚的に把握できる