NTTデータは2026年10月1日、地域金融機関や商工会議所などと連携し、中小・中堅企業のセキュリティ対策を継続的に支援する実証を同月から始めると発表した。サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度(SCS評価制度)への対応を支援するもので、実証期間は1年間。最大80社の参加を予定している。

地域金融機関などと連携、SCS評価取得に向けたプロセスを一貫支援

今回、NTTデータは「サイバーセキュリティお助け隊サービス(新類型)実証事業」の採択事業者として実証に取り組む。同社が全体設計とプロジェクト推進を担い、地域金融機関、商工会議所、IT企業、セキュリティ専門家などと支援モデルを構築する。

実証では、地域金融機関や商工会議所などが持つ地域企業との接点を活用し、企業への働きかけからセキュリティ対策の現状診断、改善、SCS評価の申請、取得後の継続的なフォローまでをつなぐ。また、実証参加企業に対し、SCS評価制度における「★」取得※に向けた現状診断、改善計画の策定、証跡整備、申請支援、専門家による確認を無償で提供する。ただし、同社の支援は★の取得を確約するものではない。

※ SCS評価制度では、企業のセキュリティ対策状況を「★」の数で可視化する。★の数が多いほど、セキュリティレベルが高いことを示す。

IT環境や社内体制を診断し、改善計画を策定

実証において、NTTデータは参加企業のIT環境やセキュリティ対策、社内体制を確認する。そのうえで、SCS評価制度の要求事項に照らし、対応済みの項目と改善が必要な項目を整理する。診断結果を基に、企業ごとの改善計画も策定するとしている。

改善段階では、設定変更や運用方法の見直しで対応できる項目と、新たなITツールなどが必要な項目を切り分ける。必要な対策を明確にした後、ITツールの導入や運用に関する教育を実施する。申請に必要な規程、台帳、ログなどの証跡整備も支援し、申請前には専門家が内容を確認する。

  • サイバーセキュリティ支援モデル

    サイバーセキュリティ支援モデル

生成AIで申請書類や証跡の不備を事前確認

実証では、参加企業によるSCS評価制度への対応を支援するプラットフォームを活用する。企業は、自社のセキュリティ対策状況や申請に必要な証跡を登録し、アセスメント結果や改善計画、タスク、進捗状況を支援者と共有する。

また、申請書類の抜け漏れや形式上の不備、証跡不足、要求事項との対応関係は、生成AIなどを用いて事前に確認する。これにより、申請準備の効率化と手戻りの抑制を図る。

その後、セキュリティ専門家が自己評価の結果や証跡、要求事項の充足状況を確認する。必要に応じて改善に向けた助言も行う。NTTデータは、デジタルによる効率化と専門家による人的支援を組み合わせ、地域や支援者が異なる場合でも一定の品質で支援できるモデルの確立を目指すとしている。

北海道銀行や伊予銀行などが実証に協力

金融機関として、北海道銀行、伊予銀行、福岡銀行、北洋銀行、尼崎信用金庫が実証に協力する。また、金融機関関連IT企業では、七十七デジタルソリューションズ、浜銀総合研究所、ナイス、静銀経営コンサルティング、ひろぎんITソリューションズが、商工会議所では、大阪商工会議所と豊中商工会議所が協力する。

サプライチェーン全体をつなぐ基盤構築を検討

NTTデータは実証で得た知見やデータを活用し、地域や業界、サプライチェーンを横断して企業のセキュリティ対策状況を可視化する方針だ。将来は、大企業から中小・中堅企業までをつなぐサプライチェーン・サイバーセキュリティ基盤の構築を目指す。