TWOSTONE&Sonsは、BtoB商材の比較検討・発注業務に携わる担当者を対象に実施した、“コンテンツのAIっぽさ”に関する意識調査の結果を8月4日に発表。回答者の9割超がコンテンツに「AIっぽさ」を感じたことがあり、信頼・好感が「下がる」と答えたのは1割だった一方で、“AIっぽさ”を感じた約半数が問い合わせや資料入手をやめたという。
調査は、エンジニアプラットフォーム事業を展開する同社が、IDEATECHが提供するリサーチマーケティング「リサピー」の企画によりインターネット上で実施。調査期間は6月26日~6月29日で、BtoB商材の比較検討・発注業務に携わる担当者110人の有効回答をまとめた。なお以下の調査結果において、構成比は小数点以下第2位を四捨五入しており、合計値は100とはならない場合があるという。
調査結果の主なポイントは以下の通り。TWOSTONE&Sonsでは、「受け手がみるのは、AIか否かではなく“中身の作り込み”」だと指摘している。
- 担当者の9割超が、業務上で目にするコンテンツを「これはAIが作ったものだ」と「何度も」または「ときどき」感じた経験があると回答
- 「AIで作られたものだ」と感じたときの行動の首位は、「問い合わせや資料ダウンロードをする気がなくなった」(49.1%)。次点が「競合他社の情報を調べに行った」(38.2%)
- コンテンツの送り手に望む“AI活用の姿勢”は、「AI活用の有無を明示してほしい」(66.4%)
調査ではまず、「業務上で目にする広告・記事・動画・営業資料・メール等のコンテンツに対して、『これはAIが作ったものだ』と感じた経験があるか」(n=110)をたずねたところ、「何度もある」が36.4%、「ときどきある」が54.5%、「1~2度ある」は9.1%となった。
ほぼすべての回答者が、そうしたコンテンツに触れたときに“これは生成AIを活用したものだ”と認識したことになる。なお、「一度もない」や「わからない/答えられない」は0%だった。
次に、そうしたコンテンツにAIっぽさを感じたことがある担当者に、複数回答で「どのようなコンテンツでそう感じることが多いか」(n=110)をたずねたところ、AIアバターや自動生成ナレーションなどを含む「動画広告・Web動画」が59.1%でトップ。生成AIによる画像やイラストを含む「Web広告・バナー広告」が50.9%と続いた。
なお、3位以下は「オウンドメディアの記事・コラム」(42.7%)、「サービスサイト・LP」(35.5%)、「営業資料・サービス紹介資料(埋め込まれた図表や画像も含む)」(31.8%)、「メルマガ・ニュースレター」(20.9%)、「SNS投稿」(14.5%)、「ホワイトペーパー・調査レポート」(10.9%)となっている。
同調査では、コンテンツに「AIっぽさ」や「人間らしさ」を感じる要素についてもそれぞれたずねている。
「AIっぽい」と感じる要素としては「中身が薄く、調べればわかる内容しか書いていない」(53.6%)や、「整いすぎていて、人の温度を感じない」(46.4%)などが上位に上がり、一方で「人間らしさ(独自性・体温)」を感じる要素としては「一次情報や独自データなど、調べただけでは得られない中身がある」(59.1%)、「書き手の熱量・人柄・温度感が伝わる」(47.3%)などが挙がった。
こうしたコンテンツの人間らしさを感じたとき、回答者の信頼や好感がどのように変化するかたずねたところ、「大幅に上がる」は20.0%、「やや上がる」が64.5%で、8割以上が信頼や好感を高めると回答。
なお、コンテンツが「AIで作られたもの」であると感じたときの信頼や好感の変化については、「大幅に上がる」が18.2%、「やや上がる」が53.6%で、合計71.8%が「信頼・好感が上がる」と回答。信頼・好感が「下がる」と答えたのは、1割にとどまった(「やや下がる」8.2%、「大幅に下がる」1.8%の合計)。
コンテンツのAIっぽさを感じたときの実際の行動を複数回答でたずねると、「問い合わせや資料ダウンロードをする気がなくなった」(49.1%)がトップで、以下、「競合他社の情報を調べに行った」(38.2%)、「その企業・商材への興味が、なんとなく冷めた」(37.3%)と続いた。
ほかにも、「内容に疑問を持ち、自分で事実確認をした」(32.7%)、「途中で読むのをやめた」(23.6%)、「その企業のメールマガジン等の購読を解除した」(15.5%)といった回答が寄せられている。「特に気にせず、そのまま読み進めた」という回答も15.5%あった。
AIで作られていると感じても、気にならない、むしろ受け入れられる場面について複数回答でたずねると、「SNSの定型的な投稿」が59.1%、「キャンペーン・新商品などのお知らせ・告知文」が46.4%、「Web広告・バナーの短いコピー」が43.6%、「料金プラン・比較表などの情報まとめ」が34.5%となった。「どんなコンテンツでもAIっぽさが気になる」という回答も1.8%あった。
コンテンツを信頼できる特徴について複数回答でたずねたところ、「課題が直接関連しており『まさに自分のことだ』と思える」が57.3%、「ここでしか読めない視点や専門性がある」が50.9%。
その他の回答は、「書き手の経験や人柄が伝わる」(37.3%)、「一歩踏み込んだ考察がある」(31.8%)、「具体的な事例や数字でリアルに感じる」(28.2%)、「根拠が信用できる」(26.4%)などとなっている。
コンテンツの送り手に望むAI活用の姿勢を複数回答でたずねると、最多は「AI活用の有無を明示してほしい」(66.4%)。「AIに頼らず、人間の経験や視点を反映してほしい」(40.9%)、「情報の鮮度や正確性を担保してほしい」(35.5%)、「AIで作ったコンテンツであっても、人間によるチェック・編集を加えてほしい」(33.6%)なども挙がった。
今回の調査結果を受けて、TWOSTONE&Sonsでは、「(回答者が)『AIで作られたものだ」と感じても、信頼・好感が下がるという回答は限定的だった。一方で、実際には問い合わせ意欲の減退や競合流出といった行動変化が生じている」としたうえで、「受け手が最終的に見ているのは“作り手”ではなく“中身”だ。AI活用そのものではなく、コンテンツの中身が受け手の行動に影響している可能性がある」とコメント。
BtoB領域のコンテンツにおいて、「AIを活用していること」そのものではなく、受け手が“AIっぽい”と感じるコンテンツの中身が、問い合わせや資料ダウンロード、競合比較といった意思決定や行動に影響を与えている実態に対し、同社は「効率化と独自性を両立したコンテンツ設計力が、BtoBマーケティングにおける重要な要素になっていく」と分析している。










