富士通は8月20日、サプライチェーン全体でのセキュアなデータの授受やコミュニケーションを実現する情報連携サービス「Fujitsu トラステッドサプライチェーンサービス」の提供を開始した。同サービスは、NIST(米国国立標準技術研究所)が定めたセキュリティ基準「NIST SP 800-171」に準拠するとともに、日本国内のデータ管理・運用を実現しているという。
新サービス提供の背景
近年、サイバー攻撃は巧妙化・深刻化しており、企業の競争力の源泉である設計情報や知的財産などの重要データをサプライチェーン全体で保護することは、防衛産業をはじめとするあらゆる企業にとって喫緊の経営課題となっている。
サプライチェーン全体でセキュリティレベルを担保できないと、脆弱な部分から攻撃や侵入をされることで、サプライチェーン全体がリスクにさらされてしまうという。
特に、世界的な経済安全保障への関心の高まりを受け、日本国内でも経済安全保障推進法が施行されたほか、国家安全保障の観点から防衛産業においては防衛装備の調達における新情報セキュリティ基準が導入されるなど、サプライチェーン全体でのセキュリティ管理が厳格になっている。
これらの法令におけるセキュリティ要件の多くは、NISTが定めたセキュリティ基準「NIST SP 800-171」を参照し、この基準への対応は高度なセキュリティを満たす重要な要件となっている。また、外国法による情報開示リスク観点からも、国内でのデータ管理・運用は、国内法令準拠の重要な要件となりつつあるとのこと。しかし、これらの高度な要件に各企業が個別に対応するには、多大なコストと時間を要するという課題がある。
新サービスの概要
Fujitsu トラステッドサプライチェーンサービスは、NIST SP 800-171に準拠したセキュアな環境でサプライチェーンの企業内・企業間でのデータの授受や、コミュニケーションを実施する情報連携サービス。
2019年から協業している米国の防衛・航空・宇宙産業などを中心に、グローバルで15万社以上の導入実績を持つExostarの機能を活用した日本初のSaaS(Software as a Service)として、高度なセキュリティ要件を求める防衛産業や重要インフラ分野など幅広い企業向けに、サプライチェーンの企業内・企業間の安全な情報連携を実現するという。
富士通では、米国の防衛・航空・宇宙産業などを中心に、グローバルで15万社以上の導入実績を持つExostarと2019年から日本国内での独占販売契約を締結し、協業を進めてきた。新サービスにExostarの信頼性の高い認証・認可機能などを採用し、富士通が日本向けにサービス化して提供する。
また、政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)に登録された国内データセンターでデータ管理を行うことに加え、富士通の専門家による監視・サポートを含む運用を日本国内で実施している。顧客はグローバルスタンダードのセキュリティ環境を、国内運用環境で利用でき、外国法による情報開示リスクを最小化することが可能。
コミュニケーション機能は、使い慣れた操作性を備えたMicrosoft 365をベースとしており、スムーズな導入と利用が可能なほか、同サービス内でセキュアに利用可能なAI機能の提供についても、Exostarと連携して検討していく。
なお、関連サービスとして、米国のクラウド基盤と運用体制による「Fujitsu トラステッドサプライチェーンサービス 米国CUI対応サービス」も同時に提供を開始。米国国防総省との取引などで米国の規制要件へ対応が必要な企業は、同サービスを選択できる。
