Windows Reportは、「Microsoft Mesa Patch Could Improve AV1 Hardware Acceleration in WSL」において、Microsoftの技術者がオープンソースグラフィックライブラリ「Mesa」に新しいコードを提供したと伝えた。

このコードによりWSL(Windows Subsystem for Linux)環境におけるAV1ビデオエンコード処理が大幅に改善されるという。

  • Windows上でLinux環境を実行できる「Windows Subsystem for Linux(WSL) 出典:Microsoft

    Windows上でLinux環境を実行できる「Windows Subsystem for Linux(WSL) 出典:Microsoft

WSLのAV1ビデオエンコードを高速化

今回の貢献活動の背景には、WSL(Windows Subsystem for Linux)の利便性向上がある。多くのLinuxアプリはMesaなどのオープンソースのグラフィックスライブラリを利用するが、WSL環境ではWindowsカーネルおよびWindowsグラフィックドライバーが動作しており、GPUのハードウェア支援を受けるには特別な回避策が必要とされている。

今回Microsoftはこの課題を克服するため、Mesaに「リクエストをWindowsネイティブのMedia FoundationレイヤーおよびDirectX 12経由でルーティングする」コードを提供した。DirectX 12を経由することで、対応するGPUのハードウェアアクセラレーションを利用したAV1ビデオエンコードが可能になるという。

現時点ではプロトタイプ、完全対応は今後

提供されたコードはプロトタイプ版と推測されている。IフレームとPフレームのエンコードをサポートするがBフレームには対応しておらず、さらに高度な圧縮機能も含まないことが理由だ。将来の完全対応が望まれているが、今後の方針は明らかになっていない。

そのため、コードを取り込んだMesaが利用可能になったとしても、完全なハードウェアアクセラレーションは利用できない。しかしながら、既存の低速な状況は大幅に改善される見込みで、WSL環境でビデオ処理を行うAIワークフローには恩恵があると期待されている。

提供されたコードはMesaバージョン26.2で正式リリースされる見込み。マージリクエストおよびパッチファイルは「mediafoundation: dx12 av1 hmft prototype and change default LSB constant for HEVC. (!42639) · マージリクエスト · Mesa / mesa · GitLab」から確認できる。