オンラインバックアップサービス企業Backblazeは、「Backblaze Drive Stats for Q1 2026」において、2026年第1四半期(1月1日から3月31日)のハードディスクドライブ(HDD: Hard Disk Drive)運用実績をまとめた統計データを公表した。
期間中に監視対象となったHDDは34万5662台で、これらのうち起動用ドライブ3907台と集計条件を満たさない492台を除外し、34万1263台を分析対象としている。なお、公開された2つの表は順番が逆転しており、分析する際には入れ替えて評価することが望まれる。
Seagate・東芝・HGST、メーカー別HDD故障率はどうだったか
HGST「HMS5C4040BLE640(4TB)」、HGST「HUH728080ALE600(8TB)」、Seagate「ST16000NM002J(16TB)」で故障は確認されなかった。
一方、Seagate「ST8000NM000A(8TB)」、「ST12000NM000J(12TB)」、「ST14000NM000J(14TB)」、「ST16000NM000J(16TB)」、東芝「MG09ACA16TE(16TB)」は各1台が故障した。
Backblazeは、故障件数だけでは信頼性を正確に評価できないと説明している。運用台数が少ない機種では故障が1件でも年間故障率が大きく変動するためだ。例として、Seagate「ST16000NM000J(16TB)」は運用台数が129台まで減少しており、故障1件で年間故障率が3.61%に急上昇すると指摘している。
全体の年間故障率は1.24%、大容量HDDは低い故障率
Q1期間中の累積稼働日数は約3020万日、故障したドライブは1030台だった。年間故障率(AFR: Annualized Failure Rate)は1.24%であり、前四半期の1.13%から上昇している。
Q1では新たなHDDモデルの導入はなかった。Backblazeによれば、直近8四半期で6回にわたり新機種を追加しており、新規投入が見送られる例は珍しいとしている。
運用面では大容量HDDへの更新が進んだ。前四半期に導入した1万220台のうち9404台は20TB超の製品で、導入からの期間は短いものの、これら大容量HDD群の年間故障率は0.85%と低い値を示した。
設置初日に故障するHDDが見つかり、分析が長期化
これまでBackblazeはデータの集計後、2カ月以内には統計レポートを公開していた。ところが、今回は3カ月以上経過してからの公開となった。同社はその理由として、「予期せぬ現象が発生したため」と説明。作業を怠っていたわけではなく、状況の把握に努めていたとしている。
この調査では、特定のHDD群で2種類の機械的不具合が見つかっている。一つは書き込み処理へ影響する障害、もう一つは電源の投入や再投入時に発生する障害。両者は発生条件が異なり、HDDの製造時期や使用期間によって受ける影響も異なるため、原因の特定には時間を要したとされる。
「設置初日の故障」は統計に反映されていなかった
今回の調査では、データの集計方法に見直すべき課題が見つかった。同社は毎日の終わりにSMART情報を取得し、前日まで存在したHDDが当日に確認できなければ故障として記録する。その後、同じシリアル番号のHDDが数日以内に再び認識されれば故障記録を取り消す仕組みだ。
そして今回、「設置初日に故障したHDDを検出できない」問題の存在が発覚した。比較対象となる前日の記録が存在しないことが理由だ。前述の機械的不具合を引き起こしたHDD群は初日から不具合に見舞われたドライブが相当数あり、統計に影響したという。
Backblazeはデータセンターへ導入する前に受け入れ試験を実施しており、初日故障は比較的まれで、統計全体へ与える影響は限定的との見方を示している。しかしながら、今回の事案を受け、公開データを利用する研究者や分析者に対し、「本データは初日を無事乗り切ったHDDを対象とする統計」として利用するように求めている。
