インターネットイニシアティブ(IIJ)は7月14日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの受託事業「ハイブリッドクラウド利用基盤技術の開発」で研究開発を進めるデータ流通プラットフォームを利用し、2026年6月までにデータ真正性の確保に向けた実証実験を完了したと発表した。
eシールを活用して対象データの提供元や改ざんの有無を確認し、組織間データ流通の信頼性向上における有効性を確認したという。
この実証実験では、データ真正性を担保する技術として注目される「eシール」を活用し、受託事業で開発したデータ流通プラットフォームと電子署名サービスを連携させることで、対象データへのeシール付与とデータ利用者による署名検証を行い、組織間データ流通の信頼性向上における有効性を確認したという。
背景として、企業や組織間でのデータ連携が拡大する一方、流通するデータの真正性をいかに確保するかが課題となっており、作成者の特定や流通過程での改ざんの有無を確認できる仕組みの重要性が高まっているとしている。同社は2023年7月より、マルチクラウド環境下での組織横断的なデータ連携を想定し、高い信頼性と利便性を両立するデータ流通プラットフォームの研究開発を進めてきたとのことだ。
今回の実証では、受託事業で開発したデータ流通プラットフォームと、サイバートラストの電子署名サービス「iTrustリモート署名サービス」を組み合わせ、対象データの真正性を検証した。一般にeシールは契約書類や証明書などの文書データでの利用が想定されるが、本実証ではデータの種類や用途を問わない汎用的なデータを用い、企業・組織間データ連携の実運用を念頭に確認を行ったという。
プロセスとしては、iTrustリモート署名サービスを利用して法人の実在性を保証するeシール証明書を発行し、対象データにeシールとデータの存在時刻を証明するタイムスタンプを付与。これをデータ提供者とデータ受領者間で送受信した上で、受領者側でeシールの署名検証を実施し、提供元および改ざんの有無を確認したとしている。あわせて、一連のデータ流通プロセスにおける運用性および信頼性の評価も行ったという。
実証結果として、eシールによりデータの提供元を明確に証明できること、iTrustリモート署名サービスにより安全かつ効率的に署名を付与できること、データ流通過程において受託事業で開発したデータ連携制御技術を用いた改ざん検知および真正性の確認が適切に行えること、複数組織間における信頼性の高いデータ流通が実現可能であることが確認されたという。
同社は今後、本検証で得られた成果をもとに安全かつ信頼性の高いデータ連携の実現に取り組むとともに、データスペースやAIを活用した新たなデータ連携のあり方の検討を継続。企業や産業界におけるデータ活用の高度化を支援するため、コンサルティングやデータスペース接続サービスなどを整備・開発していくとしている。
