インターネットイニシアティブ(IIJ)は6月9日、医療・介護・福祉分野の専門職間で情報を共有できるICTプラットフォーム「IIJ電子@連絡帳サービス」が、北海道千歳市に導入されたと発表した。千歳市は同サービスとコミュニケーションツール「ここのーと」を「電子連絡帳 CONNECT コネクト」として2026年度から正式導入し、分野や世代を超えた重層的支援体制の整備を進めるとしている。

  • 千歳市が導入する「電子連絡帳 CONNECT コネクト」の活用イメージ

    千歳市が導入する「電子連絡帳 CONNECT コネクト」の活用イメージ

電子@連絡帳は、医師や看護師、薬剤師、介護ヘルパー、ケアマネジャーなどの専門職が、在宅医療を受ける高齢者や小児・児童などの患者情報を共有するための多職種連携プラットフォーム。2017年4月にサービス提供を開始し、現在は全国76区市町村で29,000人以上の医療・介護・福祉関係者に利用されているという。

千歳市では、ダブルケアや8050問題など複合的な課題を抱える住民を包括的に支援する「重層的支援体制」の構築に取り組んでおり、2024年度の準備事業を経て、2025年度から「千歳市重層的支援体制整備事業」を開始した。医療・福祉・教育など複数分野にまたがる支援では、関係者が日々の状況や対応内容を適切に共有し、切れ目なく継続的な支援につなげることが求められるが、必要な情報を速やかに共有しにくいケースもあったとされる。

こうした課題を踏まえ、千歳市は2025年度に同サービスを試験導入し、病院や地域包括支援センターなど約30機関で活用を検証した。関係機関同士の情報共有の円滑化や、支援の継続性・透明性の向上といった効果が確認されたことから、2026年度からの本格運用につなげたとしている。

「電子連絡帳 CONNECT コネクト」を構成するもう1つのツールである「ここのーと」は、患者や家族が日常の状況を共有し、専門職と継続的につながるためのコミュニケーションツール。支援対象者の通学・通園・在宅などの情報をもとに、よりきめ細かな療養・療育支援につなげるという。IIJは今後も電子@連絡帳の提供を通じて、地域包括ケアや重層的支援体制の整備に貢献していくとしている。