JFEが前期比2.1倍の純利益に 日鉄同様、海外での成長目指す

中東影響のコスト増が懸念材料

「注目エリアは高級鋼の需要があるところ。インド、北米に注目している」と話すのは、JFEスチール社長の広瀬政之氏。

 JFEは今、新たな成長を模索する。2025年12月に、提携相手であるインドの鉄鋼大手・JSWスチールの子会社に2700億円の出資を決め、この会社とともにインドで高炉一貫製鉄所の運営に参画。2030年には足元で年450万トンの生産能力を年1000万トンに引き上げるという計画を持つ。

 また、もう一つの北米については電炉メーカーでありながら米国鉄鋼最大手にまで成長したニューコアと提携。USスチールを買収した日本製鉄同様、「成長のドライバーは海外であり、米国に注目することは変わらない。市況面でもアジア市場の倍近くの価格で取引されている。人口が増えており、鋼材需要も増えていくと見ている」(広瀬氏)

 持株会社のJFEホールディングスは、27年3月期の連結純利を前年同期比2.1倍の1500億円と見通している。鉄鋼事業もコスト削減効果の他、在庫評価益で業績が改善する。

 世界的潮流だった脱炭素は米トランプ政権が後ろ向きであることに加え、欧州でも巻き戻しが起きているが、2035年という長期を見据えて「ブレずにやっていきたい」と広瀬氏。

 ただ、懸念材料は中東情勢。原油価格の上昇が長期化すれば原燃料価格の上昇で「月100億円のコスト増になることが想定される」(広瀬氏)。中東情勢をどう織り込むかで、今期の景色は変わってくる。

 さらに、イランは中国からの鋼材輸入に頼ってきた国だが、現在は止まっている。中国がその分を減産しなかった場合、その鋼材が他のエリアに回って市況を低下させるリスクもある。このリスクをどうコントロールするかが今後問われる。