TrendForceによると、2025年第3四半期のエンタープライズSSDの需要をCSP(クラウド・サービス・プロバイダ)によるAIインフラの継続的な拡張がけん引した結果、NANDサプライヤ上位5社の合計売上高は前四半期比16.5%増の171億ドルとなったという。

  • NANDサプライヤ上位5社の2025年第3四半期売上高ランキング

    NANDサプライヤ上位5社の2025年第3四半期売上高ランキング (出所:TrendForce)

また、第4四半期については、AI需要によりTLC/QLCエンタープライズSSDの需要が引き続き増加すると予想される一方、サプライヤの在庫正常化とプロセス移行に伴う歩留まり起因の損失が発生するため、出荷量の伸びは抑制される見込みであり、NAND価格は継続して全体として20~25%ほどの上昇が予想されるとしている。

シェアトップはSamsung、キオクシアは3位にランクアップ

第3四半期のNAND売上高をサプライヤ別で見るとトップはSamsung Electronicsで、売上高は前四半期比15.4%増の60億ドル。モバイル関連で中国勢との価格競争が激化している一方でエンタープライズSSDの出荷が堅調に推移したことで、32.3%のシェアを獲得している。

2位はSKグループ(SK hynixとSolidigm)で、売上高は同5.7%増の35億3000万ドル。Solidigmが生成AIワークロード向けQLCエンタープライズSSDの需要増加の恩恵を受けたことが収益を押し上げたという。

5大サプライヤ中、もっとも高い伸びを示したのが3位のキオクシア。AIサーバ需要に加え、モバイル需要、次世代のBiCS 8への移行などからビット出荷量が増加した結果、売上高は同33.1%増の28億4000万ドルとなったとする。

4位はMicron Technologyで、データセンター向けSSDの出荷台数が過去最高を記録するなど好調で、売上高は同15.4%増の24億2,000万ドルとしている。そして5位はSanDiskで、同21.4%増の23億1000万ドルとしている。

メモリ価格の高騰で2026年のゲーム機の出荷台数が減少する可能性

DRAMを含むメモリ価格の高騰は、メモリを搭載する各種システムの出荷台数を押し下げる要因となる可能性があるとTrendForceは指摘している。すでに同社は11月の時点でスマートフォン(スマホ)とノートPCの2026年の出荷予測を引き下げたが、12月に入ってゲーム機についても当初の前年比3.5%減から4.4%減へと下方修正をしたことを明らかにした。

  • スマホ、PC、ゲーム機の2025年/2026年の需要増減予測

    スマホ、PC、ゲーム機の2025年/2026年の需要増減予測 (出所:TrendForce)

慣例的にゲーム機メーカーはソフトウェアとサブスクリプションサービスから利益を得る構造を用いて、ユーザー基盤の拡大のためにハードウェアの段階的な値下げやプロモーションを展開してきた。しかし、メモリ価格の高騰により、利益が圧迫されることとなり、将来の値引きに対する柔軟性が制限されたり、状況次第では逆に値上げをする事態となってきているとする。

  • 主要ゲーム機3機種の使用メモリの概要とBOMコスト比較

    主要ゲーム機3機種の使用メモリの概要とBOMコスト比較 (出所:TrendForce)

なお、TrendForceでは、過去にも主要部品の需給変動が過去にゲーム機の出荷の混乱を招いたことも指摘しており、全体的にはメモリ価格の上昇に伴い、ゲーム機メーカー各社は従来の成長戦略を見直す必要性に迫られており、結果として出荷量の伸びがさらに鈍化する可能性があるとしている。