lead=2025年上期の米国GDP成長は、ほぼ全面的にデータセンターと情報処理技術への投資によって牽引されていたことがハーバード大学の経済学者Jason Furman氏の分析で明らかになった。
2025年上期の米国GDP成長は、ほぼ全面的にデータセンターと情報処理技術への投資によって牽引されていたことがハーバード大学の経済学者Jason Furman氏の分析で明らかになった。これらのテクノロジー関連カテゴリーを除外すると、年率換算でGDP成長率はわずか0.1%にとどまっていたという。
AIデータセンター建設がGDP成長に寄与した金額が個人消費支出を上回る
Furman氏は9月27日、Xのアカウント上でに米国における情報処理機器とソフトウェアへの投資はGDPの4%を占めるに過ぎないが、2025年上半期のGDP成長の92%は情報処理機器とソフトウェアへの投資がけん引したと投稿。また、これらのカテゴリを除いたGDPは、わずか0.1%の成長率にとどまったとしている。
Investment in information processing equipment & software is 4% of GDP.
— Jason Furman (@jasonfurman) September 27, 2025
But it was responsible for 92% of GDP growth in the first half of this year.
GDP excluding these categories grew at a 0.1% annual rate in H1. pic.twitter.com/7p1eAI1aAa
これを報じたFortuneは、8月にRenaissance Macro Researchが公表したレポートにおいて、2025年に入りAIデータセンター建設がGDP成長に寄与した金額が史上初めて、米国の個人消費支出を上回ったというレポートを紹介しつつ「個人消費がGDPの3分の2を占めることを考えると、これは驚くべき事実だ」としている。
相次ぐデータセンター建設の影響
MicrosoftやGoogle、Amazon、Meta、NVIDIAといったテック大手は、AIやLLM(大規模言語モデル)への爆発的な需要に応えるため、膨大な計算資源を必要とするデータセンターの建設・改修に数百億ドル規模の資金を投じている。
こうしたテクノロジー主導の成長は、経済の停滞とは逆説的な強いGDP成長という中で起きている。雇用創出は鈍化し、テクノロジー投資がなければ米国経済は景気後退に陥っていた可能性があるとの懸念が高まっており、製造業や不動産、小売、サービスなどの他分野は2025年上半期にほとんど寄与していないという。
AIブームがなければ、金利や電気料金がより低くなり、他のセクターで追加的な成長があったはずだ、との見解を示している。それでも、AIの影響は極めて大きいとFurman氏は強調している。