ノルウェーのリスクコンサルティング企業であるDNVの報告書によると、AI向けに建設されるデータセンターの電力需要は、今後5年間で現在の10倍に達する可能性があるという。
北米がデータセンターの電力消費で世界をリード
DNVの「DNV Energy Transition Outlook 2025」は、エネルギー全体の動向についてまとめた年次報告書。現在、AI向けの電力がどの程度必要なのか世界的に議論が活発化している。
報告書では、AI向けのデータセンターの電力需要は10倍になると予想。AIの電力需要は急ピッチで増えるものの、徐々に線形パターンに移行すると見ている。2040年にAIが全世界の電力需要の3%を超えることないと予想しており、これはEV(電気自動車)の充電や建物の空調といった分野の電力需要を下回る水準だという。
地域別では、今後数十年にわたり、北米がデータセンターの電力消費で世界をリードすると予測。2040年までに米国とカナダのデータセンターが両国の電力使用量の16%を占め、そのうち12%がAI用途になると予想している。
このほか、2050年まで化石:非化石エネルギー比率は現在の80:20から50:50に、2025年末までに世界の太陽光発電容量は3000GWを超え、2100年に2.2度の気温上昇、ネットゼロ達成は2090年以降になるなどの予想も出している。
