電通は9月24日、全国の55~79歳の男女1800人を対象に実施した「令和シニア・プレシニアの生き方調査」の結果を発表した。調査では、還暦前の50代後半は不安や迷いが強い一方、60~70代は前向きな姿勢が高まるなど、年代による意識の違いが浮き彫りになった。
55~59歳は「孤独を感じることが多い」
この調査は、電通の社内横断プロジェクト「電通シニアラボ」が、現代のシニアの生き方を把握し、シニアの毎日を豊かにする新商品・サービス開発や社会課題解決の手がかりにすることを目的に、5月16日~18日にかけて実施されたもの。
調査によると、55~59歳が他の年代に比べて「孤独を感じることが多い」「今後の人生の生き方について迷っている」と回答した割合が最も高く、60代、70代との間に大きな意識の差があることが明らかになった。
特に55~59歳女性では約4人に1人が財産や子どものことなどを気にしなくていいのであれば「離婚したい」と考えており、他の年代と比べてパートナーと一緒に過ごしたいという意欲が低い傾向がみられた。
約半数が今後の人生については前向きな姿勢
人との付き合い方においては、男性の5割超が「モテたい」と回答した一方、女性は6割超が一緒に遊んだりおしゃべりしたりする友人が身近にいると回答した。
また、モノとの向き合い方については、全体の約8割が「今あるものを処分したい、整理したい」と考える一方で、消費に対しては「多少高くても自分の気に入っているものを買いたい」と回答する人も多く、自身の価値観に合ったものにはお金を惜しまない姿勢もうかがえる。
あわせて健康面では、約3人に1人が自身の記憶力や集中力の低下といった認知機能の低下を感じていることも明らかになった。
一方で、今後の人生については前向きな姿勢も見られた。全体の半数近く(48.5%)が「新しいことに挑戦してみたい」と回答しており、特に女性は55~59歳では41.7%だったが、年齢を重ねるごとに意欲が高まり、70代では51.3%に達した。
自身の人生に点数をつける質問では「80~100点」と高く評価する割合が、55~59歳の23.6%から60代では32.8%、70代では39.2%と、年代の上昇とともに高くなる傾向が示された。 電通シニアラボは還暦前後での意識の変化に注目し、今回の調査結果から消費行動やメディア接触の分析を進め、クライアントの活動を支援していくとしている。


