Windows Latestは9月22日(現地時間)、「Hands on with Windows 11's new "video wallpaper" feature, supports .mp4 as desktop background」において、MicrosoftがWindows 11において動画をデスクトップ背景として設定できる新機能を実装したと伝えた。
この機能により、ユーザーは.mp4をはじめとする複数の動画フォーマットを背景として利用でき、ループ再生させることができる。現時点では限定的なプレビュー段階にあり、24H2または25H2の更新プログラムを通じて展開される可能性が指摘されている。
Windows 11における動画背景設定の手順
この動画背景機能は、既存のサードパーティ製アプリであるWallpaperEngineと類似しているが、Windows 11版はより単純な構造に設計されているという。現行のプレビュー版では設定画面の表記が更新されていないが、内部的には動画ファイルの選択が可能となっており、正式発表前の段階にあることを示している。実際に利用する際は、設定から「個人用設定」→「背景」を選び、従来の画像と同様の手順で動画ファイルを指定できるとされている。
対応する動画形式は、.mp4、.m4v、.mov、.wmv、.avi、.mkv、.webmとされており、広く普及しているフォーマットに限定されている。Windows Bloomのアニメーションを背景に設定した検証では、エクスプローラーの再起動を経て、動画が滑らかにループ再生されることが確認された。加えて、アプリやスタートメニューを開いても背景再生は維持され、消費電力の顕著な増加も見られなかった。
ただし、Microsoftは長時間かつ大容量の動画を背景に利用することを認めていない。これはリソース効率や安定性を確保するための設計方針と考えられる。この制約により、軽量かつ短い映像を用いることで快適な利用が可能となり、過度なパフォーマンス低下を防ぐ狙いがある。今後の更新では、さらなる最適化が進められる可能性もある。
Windows Vista「DreamScene」の再来?
この機能は、かつてWindows Vistaで提供された「DreamScene」を想起させる。当時はDesktop Window Manager (DWM)を通じて動画が背景に再生されていたが、Windows 11でも同様の仕組みが採用されると見られている。レンダリングにはMedia Foundationが活用され、GPUアクセラレーションにより効率的な再生が実現される可能性が高い。
一方で、WallpaperEngineのような外部アプリに比べると柔軟性は劣る。サードパーティー製は多数の形式やインタラクティブ要素を提供するが、Windows標準機能は非対話的かつ限定的な仕様に留まる。それでもシステムへの統合性が高いため、安定動作と省電力性に優れる。Windows 11における今回の導入は、公式による動画背景の復活として象徴的な意義を持つといえる。
