次世代メモリ用ガラス薄膜を日本電気硝子が開発
日本電気硝子は9月4日、東北大学 大学院工学研究科と共同開発している次世代メモリ用ガラス薄膜に関する研究成果を、2025年9月23日~26日にかけてフランスで開催される予定の半導体材料に関する国際会議「European Phase-Change and Ovonic Symposium(EPCOS 2025)」にて25日に発表することを発表した。
DRAMとNANDの中間に位置づけられる次世代メモリ
AIの活用に伴い、AIデータセンターで用いられるGPUやメモリの消費電力が増大しており、将来的にはラックあたりの消費電力が1MWを超すとされている。持続可能な社会の実現のためには、増加する電力消費を抑制するための技術革新が求められているほか、メモリにはより多くのデータのやり取りを実現するために低消費電力ながら、広帯域幅の確保や高速動作の同時実現も求められている。
同社の目指す次世代メモリは、DRAMとNANDの中間の速さという位置づけで、厚さがナノメートルオーダーの薄膜状の記憶素子層とスイッチ素子層から成るメモリセルを3次元格子状に配置した、高容量化に適した構造を採用するという。この構造では、スイッチ素子層がないと電流が誤った経路に流れ、誤作動や性能低下の原因となるとのことで、必要なセルだけを動作させる重要な役割を担うとする。今回の研究で日本電気硝子と東北大の研究チームは、このスイッチ素子層に適した独自のガラス材料を開発。具体的には、ONとOFFの抵抗差が大きく、不要な電流を遮断できるため、大容量メモリの安定動作を可能にすることができるとするほか、低電圧でのスイッチング動作が可能で省エネルギー化を推進できるとする。また、従来材料に含まれていたヒ素の排除にも成功したとのことで、人や環境負荷の低減も図ることができるともしている。
なお、EPCOS 2025では、このガラス材料を用いて作製した薄膜が、スイッチ素子層として優れた特性を持つことを報告する予定だとしているほか、すでに今回の研究成果をまとめた論文がNature Researchの科学誌「Scientific Reports」に2025年7月1日付で掲載されているという。
