JR東日本は6月10日、2027年度末の完成を目指して社員の業務を支援する「鉄道版生成 AI」の開発を進めていること、2025年度内に国内で初めて新幹線・首都圏の在来線の信号通信設備復旧支援システムに生成AIを導入して復旧までの時間を削減することを発表した。

信号通信設備復旧支援システムへの生成AI導入

信号通信設備の故障発生から復旧するまで指令員を支援するシステムに生成AIを導入する。

故障発生時に指令員の判断を支援するAIを活用した現行のシステムに3点の改良を加えて、推定原因・対応方針・復旧見込時刻を表示し、社員が最適な手順で復旧作業を実施できるよう支援する。同システムはBIPROGYと共に開発している。

  • 信号通信設備復旧支援システムへの生成AI導入の概要

新システムによって最適な手順で作業が行われるようになることで、故障から復旧までの時間短縮が可能になるという。その結果、原因特定の難しい複雑な事象において、復旧までの時間を従来の約50%に短縮できることが見込まれている。

ATOSの故障箇所早期特定に向けた生成AI導入

ATOSは多くの機器を複雑に組み合わせて構築しているため、マニュアル等での解決が難しい場合は、専門知識を持つ社員やメーカー技術員などとやりとりしながら原因究明を行う必要があり、復旧までに時間がかかる場合がある。

そこで、今年9月より、ATOSのトラブル発生時に原因を解析し対応策を提案することができる生成AIの実証実験を日立製作所と行う。

  • ATOSの故障箇所特定に生成AIを導入するイメージ