次世代AIデータセンター向け電力供給技術でNVIDIAとインフィニオンが協業
Infineon Technologies(インフィニオン テクノロジーズ)は5月20日、次世代AIデータセンターに必要とされる電力供給アーキテクチャの構築に向けて、NVIDIAと協業して800Vの高電圧直流(HVDC)アーキテクチャに基づく次世代の電力システムを共同で開発することを発表した。
この新たなシステムアーキテクチャは、データセンター全体のエネルギー効率を向上させ、サーバボード内のAIチップ(GPU)で直接電力変換を可能にしようというもの。すでに最先端のAIデータセンターには、10万個以上のGPUが搭載されていることもあり、より効率的な電力活用が求められるようになっている。2030年までにITラックあたり1MW以上の電力出力が必要になるとの試算もあることから、両社は高品質のコンポーネントと電力供給システムの開発を促進することで、高密度多相ソリューションと組み合わされたHVDCを新たな業界標準として打ち出すことを目指すとする。
電力供給は分散型から集中型へ移行
現在のAIデータセンターの電力供給は、AIチップに対して多数の電源ユニット(PSU)から電力が供給される分散型であるが、開発が進められる次世代システムアーキテクチャは集中型とすることで、サーバラックの限られたスペースを最大限に活用できるようになるとしており、インフィニオンでは、これにより、最少の電力変換ステージを備え、より高い配電電圧へのアップグレードを可能にする、最先端のパワー半導体ソリューションの重要性が高まることになると説明している。