Infineon Technologiesは11月4日(独時間)、同社のGaNポートフォリオとして高耐圧ディスクリートの新しいファミリーとなる「CoolGaNトランジスタ 650V G5シリーズ」を発表した。
同シリーズは、既存品「CoolGaNトランジスタ 600V G1シリーズ」を置き換え製品として設計されており、既存プラットフォームの迅速な再設計を可能にするという。また、性能指数も向上により、フォーカスするアプリケーションである、USB-Cアダプターや充電器、照明、テレビ、データセンターや通信用整流器などの民生用および産業用スイッチング電源(SMPS)、再生可能エネルギーや家電製品のモーター駆動などに対して競争力のあるスイッチング性能を確保するとしている。
性能としては、主要な競合製品ならびに同社の従来製品ファミリーと比較して、出力容量に蓄積されるエネルギー(Eoss)の最大50%低下、ドレイン-ソース電荷(Qoss)の最大60%改善、ゲート電荷(Qg)の最大60%低下を実現しているとのことで、これらの特性が組み合わされることで、ハードスイッチングとソフトスイッチングの両アプリケーションで高い効率が実現でき、従来のシリコンベースのソリューションと比べて、電力損失が具体的なユースケースに応じて20~60%低下できるとしている。
また、幅広いRDS(on)パッケージの組み合わせを提供しており、10種類のRDS(on)クラスに対して、ThinPAK 5×6、DFN 8×8、TOLL、TOLTなどのさまざまなSMDパッケージが用意されており、いずれの製品ともに同社のオーストリア・フィラッハおよびマレーシア・クリムの8インチGaN生産ラインで製造され、すでに注文可能な状態となっているという。なお、同社では将来的には、CoolGaNを300mmでの生産に移行する予定としている。